先日の独り言、飛ぶクラブ選びの条件「シャフト」補足2で「グリップ交換の時に、グリップの個体差とシャフトの個体差を生かして太さやテーパーを調える行為」と書いた事に関して、今度は長崎の“F”様からご質問メールを頂いた。
1.グリップやシャフトにどんな個体差があるの?
2.太さやテーパーを調えるとはどう言う事?
大きく分けて上記二つのご質問だったが、フィッターが想うグリップに付いて少し書いてみたい。少しと言うのは「たかがグリップされどグリップ」はっきり言って一番重要かも知れないと考えている。これを事細かく書き出すと何日掛かるか見当が付かない程である。(^o^;アセアセ・・
まず、1.の個体差はグリップメーカーにもよるが重量が数グラム違う事はザラである。重量が違うとスイングバランスに影響を及ぼす事は周知の事実だが、太さも変わるので注意が必要。シャフトの太さにもバラツキがある事が結構あるので注意が必要なのである。
2.の太さによってどう変わるかは、これだけで長論文が書けそうな位なので端折って書かせて頂くが、クラブとゴルファーの唯一の接点であるグリップ!。この太さが変わって一番影響を受けるのは、無意識に握った手の向きが変化してしまうのである。
フックグリップとかスライスグリップとか一生懸命に握り方に注意しているゴルファーでも、肝心の握る対象の太さが変われば無意識に変わってしまう事が多い。
テーパーとはグリップエンドからヘッド方向への窄み具合であるが、これの違いによって左右の手の向きに影響を及ぼす訳である。したがって100人のゴルファーがいれば100種類のグリップがあっても良い筈なのだが、最近はカラーグリップ等が増えて、見た目の種類ばかりは増えて来たが、太さのバリエーションに関しては決して増えてきていない。いやむしろ減ってきているように感じているので、ますます注意が必要だと思っている。
それに、もう一つ重要な事は太さによって、ヘッドバランスやクラブの重量、シャフトの硬さ等の感じ方が変化するのである。バランス計やフレックスゲージで同じ数値であっても、太さが違えば感じ方は確実に違う物なのである。
デパートなどで大きい買い物をした際、手でぶら下げて持てるように付けてくれる取っ手がある。只の針金のような細い物とプラスチックの大きな物では荷物の重さが違うように感じるが、アレと同じような事であろう。これらはロボットでのテストでは全く影響はなく、使うのが人間であるからこそ重要な要素となって来る事である。
他の要素でも言える事だが、ゴルファーは感じ方でアドレス(グリップ)が変化し、アドレスが変化すれば当然スイングも変化するのである。したがって自分がどう言うスイングを目指すのか(注意が必要か)を決めて、それに合ったアドレス(グリップ)がしやすいようなグリップを装着する事が大切な事になって来る訳である。
修業時代に、宮本留吉翁のお名前を冠したクラブを修理させて頂いた事があるが、当然革巻きであった。その特徴的な巻き方に、思わず唸ってしまった事があった。「貴方はこう握りなさい!」とグリップが語りかけているようであったからである。その時は頼まれもしなかったが、もしグリップ交換を頼まれても辞退していたであろう。(+。+)アチャー。
※画像はグリップの太さやテーパーを計る為に使っているグリップゲージ。ミズノの野球バット製造工場で拝見して、ゴルフ用に短く作ってもらった物。
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