０.５°とアンサーフォンに想う。

「あれっ、２０°？」メガネを変えてもう一度測る。「俺、また間違えて７Ｗを注文してしもうたか？」（結構ありがちな事なんです。（＾＾;ハズカシー）と、測定中のグリーンゲージから外して、もう一度ソールを見たが、確かに「５18」と書かれている。_(・・;φウッ…

大島郡の“Ｔ”様（ライ調整の前にシャフト選定が重要の巻でご紹介）からご注文頂いた Ｆ－６０ 　５Ｗ ＮｅｗＱ７Ｂｓｔｆ（Ｓ）を測定していての事。 (+。+)アチャー

“Ｔ”様には先日再びご来店頂き、１Ｗ・３ＷのリシャフトとＭＰ－６０ 　ＮＳ ＰＲＯ１１５０ＴＯＵＲ（ＲをＳＲ相当に装着）のカスタムオーダーも同時にご注文頂き、ウッドは本日発送させて頂くお約束だったのである。（^o^;アセアセ・・

仕上がり測定値は・・。ドレドレ＿(◎◎ヘ)

番手 品　　　　名 　　　　 長さ 重量 　バランス 振動数 ライ角 　フェース角 リアルロフト
1W ｒ7 425 9.5 Q7Bstf(S) 44.75 333.1 D2.2　 263 　58.50 -1.00 　9.5
3W ｒ7 st 13 Q7Bstf(S) 　43.00 338.4 D2.0 　270 　57.50  -0.5  13.5
5W F-60 15 Q7Bstf(S)　　 42.00 341.9 D2.0　 274　 59.00 -1.0 　19.5

１Ｗはご本人のご希望で半インチ長くしたので、グリップ加重を４ｇして少々重くなってしまったが、「むしろ重いくらいの方が安定性が」とさえ考えられるので、これはこれで取り敢えずＯＫ。問題は５Ｗで、どう控えめに読んでも１９.５°ある。(+。+)アチャー

３Ｗとのつながりを考えればどう見てもこのまま納品出来ない。電話で「造り直しますので納期の延長を」とお願いしてご了承頂く。しかし公差１°を見込んでも少々異常な値。しかもシャフトの挿し方に問題は無い事からして、ヘッドパーツ自体に問題がある事は明白。(^_^;;

まあ、ゴルフの経験なんて全くないような人が造っているヘッド（たぶん中国生産）なんだから無理もない。問題はそれを組み上げる前と仕上がり時点で正確な計測をしていない事に問題がある。
尚、ミズノの名誉の為に付け加えるが大手メーカーの殆ど（全部と言っても過言ではないかも）はこの状態である。(;_;) グスッ

しかしここからが本題。工場に電話すると「いつもありがとうございます。ミズノテクニクス株式会社でございます。折角お電話頂きましたが業務時間は午前８時２０分から午後４時５０分迄になっております。恐れ入りますが業務時間内にお掛け直し頂きますようお願い申し上げます。」と何処かの役所のような無粋なアンサーフォン。…….. ( ..) スゴスゴ

そう言えば営業所までもが、最近になってこのようなアンサーフォンを採用した。これならば以前のように時間外に電話に出なくて済む。これによって、残業も減って、しっかりと効率化が進んでいる事は株主には多いに評価されるであろう。(^^)//　ハクシュハクシュ←ヒニク

まずは５Ｗを養老に送り返してから、連休明けの工場の対応にしっかりと注目したい。(・・ )( ・・)キョロ


「フィッターさん、ロフトの０.５°やアンサーフォンくらいで、そんなに大袈裟に。」と思われる方もいらっしゃるだろう。
たかがロフトだが、一歩間違えば何事にも大切なバランス！ で書いたように悪い予兆になりかねないのだ。 _(・・;φウッ…

余談だが、これは決してミズノの事ではなく、あくまでも一般論だが、フィッター２８年のゴルフ屋経験からすると、コンサルタント会社に入れ込んだり、銀行から上層部を迎え入れたりした会社は上記のような効率化が急激に進む事が多い。

現場やお客様の意向に関係なく事が進んでしまうようである。しかしその結末は一時的には上手く行くが、結果は悲劇を招く事が多かった。ヘ(;゜゜)ノ

最近からお付き合い下さっているお客様は「フィッターは大のミズノファン」と思っておられるようだが、実際は単なるミズノファンでは無い。

偽物が横行し、農薬入りの米まで出現する軽薄なニュースが蔓延する現在、大手ゴルフメーカーとしては珍しくも無骨とさえ見えるようなコツコツとした物作りをするミズノを正確に評価して来たつもり。(゜_゜)(。_。)ウンウン

これが少しでも崩れるようであれば、期待して下さるお客様の為にもしっかりと腹を括っておきたいと考えるフィッター。(＾＾)／“キッパリ !

※ 画像はリアルロフトをプロトラクターで計測中の Ｆ－６０ ５Ｗ。