私は結婚する時に、自分の性癖を、妻に告白していました。
男としては不能で、それが原因で離婚経験があったからです。
再婚相手とは、その二の舞を踏みたくありませんでした。
妻の方は、親からお見合いを追い立てられていました。
昔は、30を超えると結婚適齢期という賞味期限を過ぎた女になってしまい、もうお見合いの話しすら来なくなってしまうからです。
そして妻は、お見合いを断り、私と結婚する選択をしたのです。
その妻の決心を、当時は 疑問に思いませんでした。
今になって、妻の恋人が女性だったことで、色々なつじつまが合ってきた感じでした。
「なぜ、お相手として、女性なの?」って、恭子が笑って聞くと、
「同じ質問を返すわ‥」って笑うのです。
そう‥
あの時、妻が両手をあげていたポーズが、すべての答えでした‥
女同士だからこそ 知り尽くした術に身を委ね、まるで制圧されるようなキスと共に、甘酸っぱい果実のような体臭を発散させていたのです。
妻のお相手は、以前の職場の知り合いだったそうです。
当時は、そういう関係では無く、仕事に厳しい彼女は、妻の憧れのような立ち位置だったそうです。
何年かして、また新しい職場で再会した時、それは懐かしさとは違う、もっと特別な感情に気付いてしまったのです。
それからは 逢うたびに、両手をあげたポーズになっていた…
両手をあげたポーズ 【完】
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