尼ケ坂の情念

　きょうは電車で、妻と二人でランチに行きます ♡

尼ケ坂の駅から近いレストランを、恭子が予約しておきました。

瀬戸電に乗って、尼ケ坂に到着です。

ここが「尼ケ坂」と呼ばれるようになったのは、青年の武士と恋に落ちた女性が、身分の違いから結婚することが出来ず、尼になります。

それでも忘れられず、命を絶ったのが、この坂だったという由来です。

駅から、坂をあがったところの古民家が、和食レストランです。

予約しないと入れない人気店です。

還暦太りの妻です。(笑)

義母の豊満な肉体が降臨したようで、母娘ってこんなに似るんだって思います。

あーおいしかったぁ、ごちそうさまでした。♡

妻とは、夫婦別 "性" です。

ご近所や親戚には内緒ですが、お互いに自由恋愛です。

でも、とても夫婦仲は良いです。

妻は、時々朝帰りをする事があります。

「友人とのカラオケよ」と表向きの言い訳をします。

「本当は、男の人と一緒だったんでしょ？」

「違うわよ‥」

一晩、恋人と過ごしたことくらい承知しているのですが、嫉妬してしまい、妻を問い詰めます。

でも、ケンカにはなりません。

妻は嫉妬されることで、私の愛を感じているからです。

尼ケ坂の駅に戻ります。

あ、電車が来ました。

またきっと、クリスマスの頃、妻は外泊するかもしれません。

朝帰りをした日は、妻を裸にして男の痕跡を探しながらベッドで問い詰めます。

妻は、問い詰められると男との情事を回想し、その余韻に昂ぶってゆきます。

これは私たちの、夫婦の営みなんです。