「勝手に挿し絵」
私が読んだ本の挿し絵を勝手に描きます☆
⑳『歴史が語る 恋の嵐』
「恋の嵐」なんて昼ドラみたいなタイトルですが、ドイツ文学者の中野京子さんが、山田風太郎の『人間臨終図鑑』に触発されて、著名人が何歳でどんな恋愛をしたかを、淡々と綴っている本です。
なかでも私が面白かったのは、女性ではじめてノーベル賞をとったキュリー夫人。
布団がわりに本や椅子をのせて、寒さをしのいで苦学した、マジメ人間のイメージだったのですが、実際は結構モテるタイプだったそうです。
18歳のとき、家庭教師の仕事先で、帰省していたその家の長男と恋仲になり、結婚を約束するも、相手の両親の大反対にあいます。
気まずいなか、一年以上仕事を続けるも、何も決めようとしない相手の優柔不断な態度に絶望。
泣く泣く姉のいるフランスへ身を寄せますが、そこで将来の夫、ピエール・キュリーと出会うのです。
もしあのとき、相手が男らしく決断して結婚していたら、娘夫婦合わせて通算5度のノーベル賞の受賞はおそらくなかったでしょう。
失恋もまんざら悪いものではないかもしれません。
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