車が壊れた(⁉)のを期に、しばらく自転車に乗ってみることにした。
当初は半年くらいと思って始めたところ、もうすぐ2年になる。
良いことがいくつかあった。
①1ヶ月で3Kg痩せた
地方にいると、車がないと足がない位の感覚がある。どこに行くにも車で移動する。結果、歩かなくなる。家から歩いて5分のセブンイレブンですら、車を使う。情けない。車依存も甚だしい。
20代の頃より10Kg近く体重が増えていた。健康診断の度に、運動でもして体重落とさなければ、と思いながら、何もせずに翌年の健康診断を迎える、その繰り返しだった。それが、職場への往復7kmあまりの道のりで、自然に落ちた。
ただ残念なのは、その後、数値が変わらなかったことだ。しばらく体重計に載っていないから、ひょっとしたら、‥‥‥‥‥と思う。どっち?
②節約できた
ガソリン代、保険代、駐車場代、その他の維持費を考えると、月々何万かの節約になった。ガソリン代高騰の折、お得感が増した。
③どこでも止まれる
車で移動していると、交通法規を守りつつ、交通の流れに沿い、動かなければならない。
例えば、綺麗な虹が出ていたとして、それをゆっくり眺めようにも簡単にはいかない。
秋の金木犀の香りや、早春の沈丁花の香りも、自転車に乗るようになって、久しぶりに、ゆっくり楽しむようになった。
自転車に乗るようになったのは、職場が変わり、自転車でも通勤できる手頃な距離になった事も理由の一つだった。それまではどちらかと言えば街の中心部を通っていて、景色を楽しむ事もなかった。今は街中でなく、郊外に向って走る。途中、大きな川を越えて走る。毎日、春夏秋冬、その時々の風をきり、川を眺めながら、走る。日々の変化は小さいが、飽きることがない。お天気の良い夕暮れ時には、茜色に染まる空と、その空を映す川面に、足を止める。
最も寒さ厳しい時期の夕焼けを『寒茜』とか『冬茜』と呼ぶのを知った。寒くなるほど赤みが増す、この時期の夕焼けを表す、美しい言葉だ。
夏は暑いし(到着後、マスクを付けると苦しさも加わる)、冬は寒いが(乗っていると暖かくはなるが)、自然と関わる機会を持てた事が、私に自転車生活を続けさせている。長年住んでいながら知らなかった光景がたくさんある。
近頃は、冬鳥達が川面でゆらゆら浮かび、時には川辺で日向ぼっこするゴマ粒のような姿が、私を楽しませてくれている。