私が自転車でよく通る川の土手には、水仙とよく似た植物が、いくつか、こんもりと、緑濃い葉っぱを繁らせている。葉っぱのみで、花は無い。
3年ほど前の冬、同窓生のLINEグループに、畦道に繁る葉っぱの写真と「この葉、何だと思います?」という問いかけがあった。「水仙かニラ?」「いいえ、可憐な彼岸花ですよ」「えーっ?」「信じられない!」こんなやり取りがあった。「そう言えば、葉っぱ、見たことないなぁ。へえー、これが彼岸花の葉っぱかー」と初めて知った。
以前は気にも留めなかった、ただの"草"だったが、今は違う。秋口、その時期になると忘れずに咲く、彼岸花を想う。
3年ほど前の冬、同窓生のLINEグループに、畦道に繁る葉っぱの写真と「この葉、何だと思います?」という問いかけがあった。「水仙かニラ?」「いいえ、可憐な彼岸花ですよ」「えーっ?」「信じられない!」こんなやり取りがあった。「そう言えば、葉っぱ、見たことないなぁ。へえー、これが彼岸花の葉っぱかー」と初めて知った。
彼岸花の別名は『ハミズハナミズ』漢字にすると『葉見ず花見ず』•••葉は花を見ることがなく、花は葉を見ることがない。誰かから聞いたか、ネットで偶々見つけたかは忘れたが、そのネーミングに、なるほどと思った。
花が枯れたあと、葉は蒼蒼(アオアオ)と色濃く生い繁り、寒い冬を過ごす。誰の目に留まるのでもない。地下茎の為に、そして何ヶ月も先に咲く花の為に、一生懸命栄養を蓄える。春には枯れ、新たに芽吹く草花の影に姿を消す。その実りとも言うべき、あの色鮮やかな花を見ることもない。
その、健気で、忍耐強さも感じる姿に、何か励まされるような思いを感じながら、今日も自転車を走らせる。
寒風に ハミズハナミズ 蒼蒼と
来秋の彼岸花の時期には、冬の蒼蒼とした葉っぱを想い起こそう。