苦いチョコレート

交わすセリフも減って

私は、いつの間にか

終わったつもりにしていた

マイラブストーリー。

でも眠れない夜に

思い出すのは、

きみのことばかりなんだ。

苦いチョコレートが

ミルクに染みて

溶けていく。

きみのこえが

しなくなった日から

物足りなさばかりが

にじんだ。

ああ、でも

もう明日はきている。

私も歩き出さなきゃな。

縛られてるようで

彼を縛っているのは、

私だったかもしれなくて。

もう自由になっていいよ。

チョコレートを砕きながら

呟く。バラバラになってく

過去と気持ちと涙。

やっとの想いで

作ったケーキは、

悲しみのブランデーを

少し含んだけれど、

今日は、なんとなく

焦げてしまいそうな

気がするんだ。

オーブンの前に立ちながら

次の恋を考えていた。

時間の長さが

タイマーの数字を映して

嘲笑っている様だけど

扉を開ける頃には

手を振るのも忘れて

立ち込めた匂いに

包まれてるから。

きっと大丈夫。