萩原みかの部屋

ソロリサイタル批評のご紹介

去る9月16日にルーテル市ヶ谷センターホールで行ったソロリサイタルの批評が音楽の友2016年11月号に掲載されましたので、紹介させていただきます。

萩原みかはモーツァルテウム音楽大学修士課程出身のソプラノ。近年は「Colors」と題したリサイタルを重ね、研鑽の成果を披露してきた。毎回、前半と後半で色彩を変え、一方が外国語曲なら、もう一方では日本語歌曲を聴かせている。選曲の幅は広いがランダムではなく実に工夫が凝らされている。今回の前半はメンデルスゾーンのリートとヘンデルのアリア。1曲目の「恋歌」は表情豊かに、続く「歌の翼に」は深遠な歌詞内容を踏まえ抑制を効かせて歌われた。「春の歌」では藤井麻理のピアノ前奏が瑞々しい。ヘンデルのアリアにはフルートの福島明佳がオブリガートを添え、息の合った緩急、強弱でドラマを盛り上げた。後半はまず、金子みすゞの詩による中田喜直作品8曲。萩原の明晰で美しい日本語発音は詩人みすゞの天才性を浮き彫りに。次いで小林秀雄の「日記帳」「山茶花」。後者のクライマックスは圧巻。「落葉松」と「春告鳥」には再び福島が共演。フルート入りトリオは映える反面、難度も増すが、3者渾身の名演に拍手。(萩谷由喜子)

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