【大手町の片隅から】乾正人 公明党は本当に「がん」なのか

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【大手町の片隅から】乾正人 公明党は本当に「がん」なのか

中国が、理不尽にも日本産水産物の輸入を全面的に禁止したことへのささやかな対抗策として、当欄で「『私は中国産を食べません』宣言」(1日付)を書かせていただいたが、多くの読者から「非常に共感を覚える」「私も食べません」など数多くの反響をいただいた。

「食べません」宣言継続中

読者のみなさんの至極真っ当な反応に対し、記者仲間は「この前中華料理屋に行ってたじゃないか」「読者をだましている」などなど、判で押したように懐疑的な目を向けてきた。他人を疑ってかかることを若いときからたたき込まれてきた記者という商売の悲しき性(さが)なのだろうが、これではジャニー喜多川同様(彼が亡くなったとき、元ジャニーズの長瀬智也は「また地獄で会いましょう」とコメントしている)、極楽浄土には到底行けまい。

読者の皆さん、安心してください。もちろん、「宣言」は継続中です。中華料理屋にも国産食材を使っている店にしか行ってません。まぁ、それにしても岸田政権の対抗策は手ぬるいねえ。世界貿易機関(WTO)への提訴もはっきりしない。

原因の一つは、親中派である公明党への配慮があると囁(ささや)かれている。

公明党代表の山口那津男は、会見で「提訴がいかなる効果を生み出すかは定かではない」と述べ、提訴に慎重な姿勢を明確にしている。

公明党と中国との因縁は深い。日中国交正常化前、当時の委員長・竹入義勝は、あたかも首相・田中角栄の代理人の如(ごと)く中国首相・周恩来と会談し、周は竹入に中国側の条件を明示して国交正常化に道を開いた。

その竹入が後年、「公明党と創価学会は政教一致の関係にあった」と暴露し、追放されたのは歴史の皮肉だが、いまだに公明党・創価学会は、親中路線を堅持している。

 

昨年末に閣議決定した敵基地攻撃能力の保有を含む安全保障関連3文書をめぐる与党協議でも公明党は、中国の「脅威」を、国際秩序への「挑戦」と書きかえさせるほど、習近平政権に気を使った。

麻生太郎、かく語りき

こうした経緯から自民党副総裁、麻生太郎は講演でこう言い放った。

北朝鮮からミサイルがどんどん飛んでくる。だが、公明党は専守防衛に反するという理由で反対」「公明党の一番動かなかった、がんだった、いわゆる山口、石井(啓一)、北側(一雄)等々、一番上の人たち。その裏にいる創価学会、そういったものを含めて納得する形になって、公明党に認めさせています」

老いて益々(ますます)盛ん、とは麻生太郎のためにある言葉のようだ。これに対し山口は、記者会見で、ハラワタが煮えくり返っていただろうに「どういう意図で話したかわからず評価は控えたい」と大人の対応をした。

そりゃそうだろう。ここで「麻生批判」をすれば、微妙なバランスの上に計20年も続いてきた自公連立政権が、音を立てて瓦解するのは目に見えていたからだ。

 

でも、「がん」呼ばわりされてまで政権にしがみつく必要はありませんよ、山口さん。「親中」「専守防衛」をキーワードに立憲民主や共産両党と手を組むのもいいかもしれません。今回は、麻生節の味わいを残すため敬称は略させていただいた。あしからず。(コラムニスト)

麻生氏、公明の山口代表らを名指しで「がん」と批判 安保3文書巡り

麻生氏、「山口氏らが問題だったという意図だ」

 

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