バノン、側近たちと激突。ホワイトハウスを去る

この記事は わかりやすい 真偽は後の歴史が証明するんでしょう

バノンはまともなこと いってますよね

2017/08/19
宮崎正弘の国際ニュース・早読み <バノン、側近たちと激突。ホワイトハウスを去る

トランプを支えた首席戦略官、クシュナー、マクマスター、ケリー連合に苦杯

  トランプ大統領の上級顧問、首席戦略官として一時期はホワイトハウスを牛耳ったステーブ・バノン。左翼メディアが眼の仇にしたほど影響力が強く、四月にはTIMEが表紙にしたほどだった。その彼も8月18日に『辞任』を発表、事実上の更迭である。

 北朝鮮問題で周囲と激突し、とくに中国への貿易戦争の解釈で大統領とも対立、このところ更迭説が有力だった。
全米各紙ならびにテレビは一貫してバノンを敵視してきたため、歓迎論調、逆に保守陣営は怒りを表明し、「ゴールドマンサックスのロビィに転落したトランプ政権との戦いが始まる」と政権批判に転じた。
ひょっとして後世の歴史家は「このバノン解任でトランプ政権の姿勢が変わった」と書くことになるかも知れない。

 ステーブ・バノンは選挙中にも、「いずれ五年以内にアメリカは中国と戦争になる」と予言していた。共和党の過半の考え方は中国との宥和、共存的競合関係の維持を望んでいるため、バノンの大統領への影響力は次第に先細りになっていた

 そこでバノンは更迭される直前、珍しくメディア(それも左翼メディア)に登場し、トランプが北朝鮮に対して「米国への脅しを続けるのであれば「炎と怒り」で報いを受けることになる」と警告したことに関してコメントし、「北朝鮮問題に軍事的な解決策はない。これは前座に過ぎない。それより北朝鮮問題で誠実な仲介役を中国に期待するという罠に陥ってはならない」といった。

トランプ大統領の対中姿勢の大幅な後退ぶりに対しての当てつけともとれる。大統領は北と中国を「口撃」するばかりで、中国への45%関税も為替操作国への指定もなされず、南シナ海における中国の横暴にも敢然と対応できていないとする批判が含まれる。

またバノンは「米国は中国と経済戦争の最中であり、どちらかが25年から30年後に覇権を握る。このまま行けば彼らの勝ちだ」と大統領の周囲とは異なる発言を繰り出した。現にIMFは七月の報告で『2022年に中国は米国のGDPを上回るだろう』としている。
 つまり、この発言はホワイトハウス内のクシュナーとジョン・ケリー首席補佐官、マクマスター補佐官への批判なのである。
 
 浮き上がった立場に追い込まれたバノンはことあるごとに彼らと激突した。業を煮やしたトランプ大統領はバノンを遠ざけ始め、大統領の周囲ならびに共和党の大半がバノンの更迭を叫ぶ状況となっていた。

 発足からわずか七か月で、トランプはフリン補佐官、スパイサー報道官、スカラムチ広報部長、プリーバス首席補佐官とバッサバッサ馘首してきた。こうなるとホワイトハウスは誰がまとめているかといえば、女婿クシュナー、首席補佐官となってジョン・ケリーのふたり、そのうえで重要事項の決定はマティス国防長官、マクマスター安全保障担当補佐官の四人が最強ということになる。

 この陣営と国防、外交における政策をみていると、今後のトランプ政権は最強の軍人内閣といえるかもしれない。

一方 

バノンが選挙公約と現実政治のけじめを理解出来ず、公約に固執し続けた結果、自らを窮地に追い込んだ

バノンの大敗と

でもこの解説では 対中政策の違いについて 触れていないので 「穏健路線」が何を意味するか あいまい となり 中途半端になっている↓

◎トランプ、「バノン切り」で穏健現実路線へ

白人労働者中心の選挙基盤に打撃
 ホワイトハウス内部抗争にけり
 2月23日の解説の段階で「バノンをを潰すか、トランプ政権が潰れるか」と、「バノン切り」を予言したが、けりがついた。背景には「陰の大統領」バノンが選挙公約と現実政治のけじめを理解出来ず、公約に固執し続けた結果、自らを窮地に追い込んだことがある。トランプは自説に固執する理念重視型のバノンと対立していた穏健現実路線派に政権の基盤を移行させることになるが、バノンだけでなくトランプ自身も内政的には厳しい状況に立たされる。というのもバノンが唱えた保護貿易や移民排斥路線は白人の低学歴労働者の支持を狙ったものであり、ただでさえCNNの支持率が過去70年の歴代大統領で最低となる36%にとどまっていることを考えると、バノン更迭で支持率が大幅に好転する可能性は少ない。来年の中間選挙は共和党惨敗をトランプが先導することになりかねない状況でさえある。
 ウオールストリートジャーナル紙の社説がいみじくも「バノンは自分で自分を解任した」と分析しているが、まさにきっかけは自傷行為であった。左派系ニュースサイト「アメリカン・プロスペクト」とのインタビューでバノンはホワイトハウスの内部抗争を暴露して「トランプ氏の側近らと毎日戦っている。戦いの連続であり、いまだに戦いは続いている」と激しい対立に言及した。これは抗争が終末期に到達して、自らが逃げ場のないほど追い込まれた事を意味する。娘婿の上級顧問クシュナーや安保担当補佐官のマクマスター補佐官らとの対立は抜き差しならぬ段階であったという。これまでは保護主義的な貿易政策、強硬な移民政策、環太平洋経済連携協定(TPP)離脱などで強硬路線を取って政権をリードしてきたバノンだが、パリ協定離脱に関しては娘のイバンカら穏健派が反対を唱えたもののバノンは強硬路線で突っ走った。このころから向かうところ敵なしに見えたバノンの力に陰りが見え始め、イスラム圏からの入国禁止措置は司法の大反発で失敗の憂き目を見た。トランプはバノン路線に乗った結果、政治的、法的な敗北を喫したことになる。
 さらにバノンはインタビューで北朝鮮問題について「北朝鮮関係などは余興に過ぎない。軍事的解決などあり得ない。忘れてよい」 と言い切った。これは軍事的解決を排除しないトランプの北朝鮮政策と真っ向から対立するものである。これに追い打ちをかけたのがシャーロットビルでの騒乱だ。白人至上主義を掲げるグループとこれに抗議するグループとの激突は、だれがみても白人至上主義派に問題があった。それにもかかわらずトランプはバノンの影響を受けて「双方に非がある」とけんか両成敗的な発言をしてしまったのだ。これには世論が憤ったのみならず、ユダヤ系市民にまで反発が報じた。ユダヤ系の米国家経済会議(NEC)委員長のゲーリー・コーンも激怒して辞任寸前となった。コーンはこれまで通商問題でトランプ政権内の過激な主張を抑え、税制改革でも中心的な役割を担っており、辞任は政権への大打撃となる性格のものである。
 こうしてさすがのトランプも、政権維持とイメージ回復のためにも 「バノン切り」に踏み切らざるを得なくなったのだ。今後の政権はホワイトハウス内の力関係が一変する。まず、7月末に就任した大統領首席補佐官ケリーを中心に体制再構築に動くだろう。ケリーは、退役海兵隊大将であり、現役の陸軍中将のマクマスター、退役海兵隊大将の国防長官マティスの「軍人トリオ」がホワイトハウスをリードし、外交は実業家の国務長官ティラーソンが担うことになる。従来通りクシュナーと娘で大統領補佐官イバンカら“親族”も加えて、バノンの強硬路線からホワイトハウスは一挙に穏健現実路線へと形を変えることになる。ホワイトハウスのメディアとの関係は、トランプ本人がメディア敵視政策を変えない限り一挙に好転することは難しいだろう。しかしトランプもバノンの「メディアは野党だ」といった発言を請け売りしていた側面もあり、バノンの辞任はとげの一つが抜けたことは確かであろう。
 バノンも古巣の右翼メディア「ブライトバード・ニュース」の会長に復帰し、「我々が選挙で勝ち取ったトランプ政権は終わった。大統領周辺のやつらは穏健な道を進めさせようとするだろう」 と述べている。バノンは政権中枢の半年間でスキャンダルも含めた様々な情報を握っている可能性が高く、トランプは敵に回したくない相手であろう。ブライトバードはさっそく「トランプ政権の終わりが始まった」 と酷評している。もっとも、バノンも政権幹部とメディア会長では、影響力が天と地ほど違うことを思い知ることになるのも確かだろう。

バノンは大敗を喫したのだ。

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