「遅れてきた実力者」仙谷大臣が虎視眈々と狙う総理のイス

2010年4月15日 週刊文春
「遅れてきた実力者」仙谷大臣が虎視眈々と狙う総理のイス
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「新党『たちあがれ日本』は、敬老会青年部」「学生時代の『代返』と、国会議員の代理投票は違います」。政界で「事件」があるたび、とぼけた言葉で寸評するのが仙谷由人国家戦略担当相(64)だ。郵貯の預入限度額引き上げ問題でも、国民新党の亀井静香代表の方針に「聞いていない」と真っ向から異議を唱える。鳩山由紀夫首相、菅直人副総理と週一回の「新トロイカ」昼食会を開き、菅氏に続いて官邸に個室を持った。そんな仙谷氏の狙いはズバリ、「ポスト鳩山」だ。
 
「菅氏とは同い年、鳩山由紀夫首相の一歳上という割にはベテランのイメージがある。代表を経験し手垢のついた菅氏、岡田克也外相、前原誠司国交相より新鮮味があり、安定感もある」(民主党関係者)。何より民主党最大の実力者、小沢一郎幹事長と距離が遠いことも「ポスト鳩山」には好影響だ。
 
 弁護士時代、同じ事務所の後輩に社民党の福島瑞穂党首がいた。土井たか子委員長の下、九〇年衆院選で初当選し、社会党「ニューウェーブの会」で現実路線の旗をふり、ホープとして期待された。
 
 ところが政権交代が起こった九三年衆院選で落選。これが人生を変えた。本人も後になって「オレがいないのに、なんで与党なんだ?」と悔しさを隠さなかった。九六年衆院選で民主党から返り咲いて以降は金融国会で政策新人類として活躍し、前原グループの「親分」として、若手の後見役を任じている。
 
 仙谷氏の「野望」が永田町で話題になったのは、公明党の矢野絢也元委員長の長男を正式に公設第二秘書にしたこともきっかけ。矢野氏は周知の通り、創価学会とは裁判闘争を繰り広げている学会の“敵”。秋谷栄之助前会長が二月末に突然、小沢氏と会談したのも「仙谷氏をけん制するため、対立する小沢幹事長と誼(よしみ)を通じておく目的が大きかったと言われている」(関係筋)。小沢氏と学会を動かすほどの影響力が、仙谷氏にはあるというワケだ。
 
 事業仕分けで名をあげた枝野幸男氏を行政刷新担当相に推薦したのも仙谷氏。前原氏や野田佳彦財務副大臣ら七奉行の中では「唯一、小沢氏に対抗できる手腕がある」との評も出てきた。〇二年には胃癌も患ったが、現在は健康そのもの。参院選前に内閣改造があれば、小沢氏の後任幹事長にも取りざたされる。「遅れてきた実力者」、仙谷氏の動向から目が離せない
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