自由主義諸国では「多様性を認め合う社会を目指す」のが正しいことだとされている。日本でもあらゆる政党やメディアがそうあるべきだと主張している。岸田文雄総理も2月17日、「政府としては、多様性が尊重され、すべての人々がお互いの人権あるいは尊厳を大切にする、そして生き生きとそれぞれの人生を享受できる社会を目指すべく努力をしていかなければならない」と述べた。
ではその認め合うべき多様性とは何か。昨今、本邦で議論の俎上に載せられているのは「性の多様性」だ。前提にあるのは、性というのは男性と女性だけではなく多様なのだ、という考えである。いわゆるLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)だけではない。性というのは、自分の性をどのように(男性か女性か、そのいずれでもない何かなど)認識するかという性自認も、どの性を好きになるかという性的指向も多様であり、無数に存在するとされる。
では性の多様性を認めるとは具体的にはどうすることなのか。2月に岸田総理と面会したLGBTなどの支援団体が訴えたのは、同性婚実現や差別禁止法の制定だ。毎日新聞は2月5日の社説で「多様性を掲げるなら、日本も法制化に乗り出すべきだ」と説き、同15日には「岸田首相の人権感覚 『多様性』掲げるだけでなく、法制化で示せ」という古賀伸明・元連合会長の寄稿をデジタル版に掲載した。
しかし多様性を認めるとはすなわち特定の法律の制定だとするならば、話は些か厄介なことになる。というのも多様性には性の多様性だけでなく、人種や民族、国籍、宗教、年齢、障害の有無など「多様な多様性」があるからだ。
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