日本企業の生産性を引き下げる「ご挨拶テロ」に気づいていますか

そうなんでしょうね

気づいていても 変えられない それが問題

 

加谷 珪一

日本企業の生産性を引き下げる「ご挨拶テロ」に気づいていますか  これは日本社会のムダの象徴だ 

「ご挨拶」「情報交換」と称して相手の会社に大人数で訪問し、話だけ聞いて「いやあ、大変勉強になりました」と言って帰っていく。何かを提案したり、製品を購入するわけでもない。グローバル市場において、日本人ビジネスマンのこうした奇妙な振る舞いは有名である。

国内でも、ごく簡単な商談に何人も社員が出てきて、誰が決定権を持っているのか分からず、部長クラスが出席しているにもかかわらず「持ち帰って検討します」といって帰っていくことは珍しくない。

著名な大企業の管理職ともなれば年収は1000万円を突破することも珍しくないが、こうした高給取りの社員が、ほとんど利益を生み出さないムダな作業に、多くの時間と労力を費やしている。

日本の生産性が先進諸外国に比べて著しく低いという話は、多くの人がすでに認識していると思うが、このような振る舞いを続けていては生産性が下がるのは当然のことである。

日本企業は同じ金額を稼ぐのに資源を投入しすぎ

目的なく相手を訪問するのはビジネスでは御法度

今度はアジアで同じ事を繰り返している

実は全員が改革の「抵抗勢力」?

・・・

こうしたムダを指摘してスリム化を進めれば、いつか自分の仕事もムダの烙印を押されるのではないかとの恐怖心を皆が持っているのだとすると、事態はさらにやっかいである。全員が改革の抵抗勢力ということになり、問題をどれだけ可視化し、処方箋を示すことができたとしても、決して実行されることはないだろう。

ここまでくると経済学や経営学ではなくもはや心理学や文化人類学の領域に入ってしまう。今、日本で進められている働き方改革は、日本の生産性の低さが、経営学的な問題にとどまっているからこそ、改善可能であることを示す最後のチャンスとなるかもしれない。

 

 

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