KGBは自分から志願してくる者は採用しない

【佐藤優の地球を斬る】
ラスプーチンと呼ばれた男

プーチン・ロシア大統領が、KGB(旧ソ連国家保安委員会)に勤めたいと思ったのも、第二次世界大戦中、ナチス・ドイツに潜入したソ連の工作員を主人公としたテレビ映画『剣と盾』を見た影響が大きいと本人が語っている。諜報(ちょうほう)機関員一人の働きで国家の命運が左右されることもあると感じた中学生のプーチンは、レニングラード(現サンクトペテルブルク)のKGB支局を訪ねた。そこで対応したKGBの係官が優しい人間だったので、プーチン少年に次のアドバイスをした。
 「坊や、KGBは自分から志願してくる者は採用しないことをよく覚えておきなさい。KGBで働きたいのならば、大学にきちんと進学するといい」
 「どこの大学で、何を勉強したらいいの」
 「そうだね。専攻は法律がいい。そうして待っていると、KGBの方から誘いに来るよ
 これまで、団地の中庭でけんかばかりしていたプーチン少年が突然勉強するようになったのは「スパイになりたい」という一心からだった。プーチンはレニングラード国立大学法学部に入学する。そうすると、かつてKGB職員から教えてもらったように、「ある日、ちょっとお話をしたいんですが…」と組織の方からアプローチがあった。こうしてプーチンは裏世界のプロになっていくのである。

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