習近平、突然チベット訪問/毎日千人規模で香港から若者が離れ/国家による傍聴盗聴/BWC

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月24日(土曜日)

習近平、突然チベットを訪問。「チベットは豊かになった。未来は約束されている」
  同日、モディはダライ・ラマと電話会談、ブリンケンが訪印を発表

習近平が無事に北京に帰り着いてから、公表された。7月22日に習近平は初めてチベットを訪問したことが。よほど暗殺を懼れていたのだろう。

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毎日千人規模で香港から若者が離れている。若いカップル、ときに子連れ、いずれも片道切符でロンドンを目指す。かれらは90年代の香港離脱組とは動機が異なっており、永久に香港には戻らない人たちである。スーツケースを幾つも抱えている。

 香港返還前のエクソダスは、共産主義の恐ろしさを身に染みて知っている人々だった。かれらは移民条件が緩やかだったカナダを目指した。当時、筆者は貿易会社を経営して毎月のように香港へ通っていたので数百の香港人と名刺を替え、そのうち数十人とは取引があった。30年後、誰一人香港にはいない。皆、小金をためてカナダへ移住した。二年前にその時の一人が日本に遊びに来たが、香港民主化運動に興味を示さなかったことは驚きだった。

 その後、オーストラリアが移民条件を緩和したためどっと豪へ住宅を購入して移住する人が目立った。金持ちが多かった。留学生も夥しく、かれらは卒業後、外国で職を探した。
 香港大乱と大弾圧のあと、英国はBON(海外籍パスポート)を認めた
自動的に半年の英国滞在を認めるとした。その後の移住申請もプロフェッショナルな職業なら容易に認められるという。

 この英国の計らいを頼りに、若い香港の人々は香港を捨てる覚悟を決めた。
 毎日千人ほど、コロナ禍で航空便が制限されているが、香港國際空港にはわかれの風景が随処で見られ、ロンドン到着後は入国審査に長い列ができているという。

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(読者の声3)「ペガサス」問題が世界政治を揺らしています。イスラエルは調査委員会を設置しました。ハンガリーではオルバン首相が、反対派の政党やジャーナリストの電話番号を把握していた騒ぎ、インドではガンジーが「内務大臣はペガサスを駆使して情報を穫っていた。すぐに辞任せよ、モディを最高裁は取り調べろ」と唱えています。
 これはスノーデン事件のように暗い展望で発展しそうですね。
   (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)主権国家ならどこでも傍聴をやっていますし、テロ予防など治安関係で脅威となる可能性があれば電話盗聴も認められています。日本は? 戦後、GHQが目の仇として内務省を解体したため、米国のCIA、FBIに該当する組織はありません。日本はそうして文脈でも国家の体をなしていないのです。
 民間企業が傍聴を請け負っているという話は聞いておりますが。。。。

(読者の声3)東京オリンピック開会式演出家小林賢太郎氏の突然の解任劇は、日本の言論空間に閉そく感をもたらせたマルコポーロ事件を想起する後味の悪さですね。
 サイモン・ウィーゼンタール・センターの開会式直前の告発に悪意ないし戦略を感じます。日本の五輪組織委員会だけでなく日本の学界・言論界、大手メディア、政治家が、ドイツにおけるユダヤ人虐殺を過去の世界中で行われた民族浄化、現在新疆ウイグルで行われている民族浄化等と合わせて歴史的・哲学的考察もせず、何の反論も政治的反撃もできないのは情けない。
 オリンピックは、スポーツの祭典・平和の祭典ではなく政治闘争およびサイバー戦争の場と化しているようです。
(杉並 KU生)

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