後発薬の品不足や供給混乱が続き…厚労省が「薬」業界再編へジリジリ圧力

厚労行政の失敗のツケであることは間違いない

 

後発薬の品不足や供給混乱が続き…厚労省が「薬」業界再編へジリジリ圧力|経済ニュースの核心

後発薬メーカーに対する再編圧力が日増しに高まっている。今年5月に厚生労働省の有識者会議が「(製品の安定供給など)構造的課題を解決するには再編が必要」とする提言を公表。今月上旬には厚労省に後発薬大手首脳らを呼びつけ、武見敬三厚労相自らメーカー側を叱咤するという立ち回りも演じた。

「安定供給の責任が果たされていない。業界再編は待ったなしだ」。武見厚労相とメーカー首脳との会談時間はおよそ30分。非公開で行われたが、関係者によると、冒頭、武見氏はこう獅子吼して再編を強く促したという。

 集められたのは大手を中心とした13社の首脳ら。業界トップのサワイグループホールディングス(GHD)の沢井光郎会長兼社長や吉田逸郎・東和薬品社長も駆け付けた。

 後発薬はここ3年以上にわたって品不足や供給混乱が続く。業界団体の調査によると、全品目のうち何らかの形で出荷制限を受けているのは今春段階で16.3%、出荷停止は14.5%にのぼる。

 引き金を引いたのは、20年に発覚した、準大手級の小林化工による品質不正だ。これをきっかけに業界各社のずさんな品質管理の実態が明らかになり、不正のドミノが一気に広がった。この間、当局により出荷停止など行政処分を食らったのは21社。全体の1割を超える。これでは「タマ不足」(調剤薬局幹部)に陥るのも当たり前か。

 

 業界には170社程度のメーカーがひしめく。しかも「大半が中小企業で財務も脆弱」(関係者)だ。製造要員や品質管理などの人材も不足している。供給が滞っているからといって「簡単には増産投資などに踏み切れるハズもない」と業界中堅筋。

 そこで厚労省が持ち出してきた“切り札”が再編というわけだろう。有識者会議の提言では、具体例として①大手メーカーや投資ファンドによる中小メーカーの買収②医薬品卸や調剤薬局などによる中小メーカーの買収③複数のメーカーが集まって製造品目や機能を集約する--といったパターンも挙げた。

 果たして医薬卸大手のメディパルHDや調剤首位のアインHDなどを巻き込み業界の垣根を越えた大再編劇にまで発展するのか。市場からは「後発薬利用促進の旗だけ振って産業育成の視点を欠いた厚労行政の失敗のツケ」との声も飛ぶ。

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