「朝鮮半島全体が中国の勢力圏に入る」という韓国人

鈴置 高史
チャイナ・ハンズが見る日本―④―
 「中国は北朝鮮を領土に組み込む。となれば、韓国も中国の強い影響を受ける。朝鮮半島全体が中国の勢力圏に入る」――。日本人に対し、こう断言してみせる韓国人が最近、急に増えた。

理屈を聞くと、彼らは以下のように説明する。

 「金正日政権の崩壊は近い。その際、中国は軍を送り、朝鮮半島の北半部を我がものとするだろう。中国に直接に接することになる韓国は軍事的圧迫感から『中国の言うこと』を聞かざるを得なくなる。結局、中国の支配力は半島全体に及ぶ」・・・・

なぜ韓国人はそんなに誇張した主張を、なぜ今、なぜ日本人に語るのだろうか。さらに話を聞くと、謎が解けてくる。彼らは最後にはこう付け加えるからだ。

 「韓国までもが中国の勢力圏に入るのを日本は黙って見ているのか。それが嫌なら、中国の北支配構想を日本は阻止せよ」。
 要は「中国をライバルと考える日本人をして、朝鮮半島で着々と勢力を扶植する中国を牽制させる」のが韓国人の狙いなのだ・・・・

韓国の指導層から、時々、こんな声も漏れる。

 「日本は中国に対抗しようと考えてはいけない。日本が中国に従っておけば、東アジアに争いは発生しないではないか」。
韓国にとっては「国を割らない」ためにも「海洋勢力」と、大陸国家である中国が対立しては欲しくないのだ。

 結局、韓国にとって「一方が半島で決定的な力を持てないよう、日中が牽制しあう」のが望ましい。しかし、その度が過ぎて激しい対立に至っても困る」ということなのだろう。

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