中国、堂々の開き直り。米国に「武漢コロナ」の命名をやめろ


「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和弐年(2020)3月12日(木曜日)弐    通巻6399号  


 中国、堂々の開き直り。米国に「武漢コロナ」の命名をやめろ
  イタリアには医療特殊チームを派遣する、って可笑しくないか?


 国連WHOは、3月11日になって遂に「武漢コロナ」をパンデミック(世界的大流行)と認めた。ドイツのメルケル首相は記者会見で「ドイツ国民の60-70%が感染する可能性がある」と驚嘆すべき発言を繰り出した。
 日本でも11日に緊急事態宣言法が衆議院委員会で可決した。

 疫病の発生源が中国湖北省の武漢であることは明々白々の真実である。
 これをメンツの問題として、他者に転じるのは、中国人の泥ボーが逃げるときに「泥ボー」と叫びながら走り出すことに似ている。中国は姿勢をころりと変えて、「コロナは制圧した」などと、誰も信じないキャンペーンを張りだした。
それが武漢を視察した習近平の「勝利宣言」だった。

そして中央銀行に命じて株式市場の価格維持作戦を展開し、死者、感染者の数を、天地がひっくり返るほどの出鱈目な数字に誤魔化し、「生産現場は回復した」などと向こう見ずに宣言し、地方に帰っている労働者を強制的に職場に戻す作戦に出た。

 ポンペオ米国務省長官は「中国発表の数字は信頼できない」とし、WHOのいう「コンビット19」などと、実態を功名にはぐらかすような命名を拒否し、「武漢コロナ」と命名した。「発生源が中国である」ことを永久に記憶に留めようとする配慮である。

中国はこのポンペオ発言を「卑劣な振る舞い」(DESPICABLE BEHAVIOUS)だと言って強く非難した。言葉の戦争である。

 嘘の演出と、でっち上げの「事実」を強要する。このトリックの原点は有史以来のこと、歴代中国王朝の「正史」である。だから南京大虐殺という架空の事件を捏造して日本に戦争責任を転嫁した。そのうえで日本軍と戦った国民党は「偽軍」となり、共産党が抗日戦争に勝利した、なんて。

 習近平が視察した武漢の「火神山医院」は、急ごしらえで建設した仮説病院だが、ここに強制収容される感染者は、死にに行くようなものと恐怖の心理に取り憑かれるという。
 反政府系の華字紙によれば、「火神山医院では、毎日数百人が死亡している」と内部情報を伝えている。

 なにしろ数千人が虐殺された1989年6月4日の「天安門事件「」は「なかった」ことにした中国共産党!
 河南省を襲ったエイズ災禍、国連は百万以上の患者としたが、中国の発表は「22517名」だった。この縮小喧伝原理から言えば、中国の感染はすでに百万、死者は一万を超えているという推測が成り立つだろう。

 台湾は軍隊の化学医療チームを動員し、水際作戦を展開しているが、日本では緊急対策会議に肝心要の自衛隊が呼ばれていない。なんという彼我の差! 欧米は軍を動員してあたかも戒厳令下にあるというのに。

 あまりにまずいと思ったのか、中国は医療特殊チームをイタリアに派遣するとし、救援のイメージを創ろうと懸命である。

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