「戦後」だと思っておればいつの間にか「戦前」

西村眞悟

「戦後」だと思っておればいつの間にか「戦前」である

この一年間で明確になったのは、
 欧州は再び「複雑怪奇」な天地、即ち「戦前」に戻ったということである。
 それを明確にしたのは、ロシアのプーチン大統領である。
 彼は、武力でクリミヤを併合しウクライナ東部を制圧した。そして、イギリスもフランスもドイツもアメリカもそれを止めることはできない。その結果、欧州では、ロシアのバルト三国への武力侵攻も予想し得る事態となった。
 つまり、欧州の天地では、プーチンによって、武力によって国家の勢力圏が変更することが実証された
 これが「戦前」に戻ったということである。

それでは、アジアの天地はどうか。
 事態を見つめれば、明らかであろう。アジアの天地も既に「戦前」である。
 中共は、ベトナム戦争の終結によってアメリカがベトナムから撤退した直後から南シナ海南西部へ、
 さらにフィリピンのスービック基地からアメリカが撤退した直後からは南シナ海中央部へ、
 それぞれ武力侵攻して勢力圏を武力で拡張している。

 即ち、アジアで次ぎにヨーロッパで、既に勢力圏を武力で拡大させる「戦前」が始まっている。
 アジアとヨーロッパが違うのは、アジアの中共は、夜盗や土匪のようにこっそりとやっていたのに対し、
 ヨーロッパでは、プーチンのロシアが、白昼、正々堂々としたことである。

 以上のように、既に世界は、とりわけ我が国の存在する東アジアは、「戦前」なのだ。
 そして、この「戦前」を造りだした夜盗が、 我が国を「戦後」という牢獄にこの先も閉じこめ続けようとして総理大臣の謝罪決議を期待している。
 その目的は、戦後体制のままの我が国を、効率よく制圧し勢力圏を拡げることである。

よって、切に願い、何度でも言う。
 安倍総理、「戦後」という枠内の「有識者懇談会」と外務省に囚われず、それらを放擲して、
 政治家としての知性と本能に基づいて、
 「戦後からの脱却宣言」という「戦後七十年総理大臣談話」を発出されたい。

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