長谷川豊
乙武氏の話でもう一つ。
乙武氏の奥様が連名で謝罪文を掲載したことで波紋……と言うか、完全に反発が広がっています。
そうですね。これはまずいです。完全にアウトな対応です。どこの素人が指南したのでしょう? こんな程度、聞いてくれればいいのに。
以前にも一度ご紹介したのですが、ジャーナリストの須田慎一郎氏が私の番組の中でも話をしてくれたのですが、リスクマネジメントには謝罪のセオリーがあります。一般的には3段階あります。
1.何があったか「事実」を丁寧に説明
2.その過程で「問題」はいったい何だったのか?
3.解決策はどうするのか?
これが基本中の基本です。乙武氏は何があったのかは説明をしたようです。5人の女性と不倫関係にあったことを認めました。
で、夫婦関係に溝があったこと、夫婦関係を改善できたことなどを説明しました。
はい。これで完璧ですよね。本当に……なんでここで「ムダなこと」をしたのでしょう?
これは「謝罪」のセオリーなのです。謝罪は謝罪。それを終えた後、罪を犯した人間はしっかりと「罰」を受けなければいけないのです。ここをすっ飛ばしてるんですね。乙武氏のあの「妻も連名で謝罪」と言う謝罪の仕方は
「もう謝ってるんだし、奥さんも許してるから世間も怒らないでね~」
「なので、もう水に流して、参院選も出させてよ~」
というメッセージが強すぎるのです。本当にヘタクソ過ぎです。
あんなタイミングでこんな醜聞が出たのです。参院選など、出られるわけがないでしょうが。そこを見誤ってるんです。なのでこんな悪あがきをしようとするん ですが、奥さんはただの被害者です。ただの女好きが不倫してただけなのですから。可愛い女の子が生まれても、不倫相手と旅行に行ってた男がすっぱ抜かれた だけです。
奥さんは被害者です。被害者を謝罪させてどうする(涙)?
どうせ、どこかの素人同然のバカの助言通りにペーパーを出したのでしょう。大失敗です。謝罪はそんなに簡単ではありません。ちゃんと確かなセンスと知識を持っている厳しいことも言ってくれる人間に話を聞くべきです。
奥さん、可愛そうに。2重に傷つけられた感じです。