乾正人 小池さん、無駄遣いはダメです

コラボ問題 そういうことなんだ

【大手町の片隅から】乾正人 小池さん、無駄遣いはダメです

神戸を出て箱根の関を越えてから幾星霜。安月給に見合わぬ高額の地方税を毎月、きちんきちんと東京都に払ってきた身として声を大にして言いたい。都は他の自治体に抜きんでた税収に胡坐(あぐら)をかき、都税を無駄に使い過ぎている。

賛否両論ある18歳以下の子供への月一律5千円の給付はまだましな方。効果が疑わしいばかりか、防災上問題があり過ぎる一戸建て住宅への太陽光パネル設置に莫大(ばくだい)な予算をつけている。さらに都が委託している福祉事業に不正会計疑惑が持ち上がっているのだ。

「慰安婦デモ」にも参加

年明け早々、都監査委員は、性暴力や虐待などの被害を受けた若い女性らを支援する都の事業を受託した一般社団法人「Colabo(コラボ)」(仁藤夢乃代表)の会計に不当な点があるとして、都に再調査と過払いがあった場合は返還請求するよう勧告した。住民監査請求が認められたのは極めて異例で、都では6年ぶり。昨年7件あった請求中、認められたのはこれだけだ。

コラボ問題」は、昨年からネット上をにぎわしてきたが、新聞やテレビが報じ始めたのは都監査委員が発表した4日以降。しかも本紙を含め地味な扱いがほとんどだった。

コラボは、居場所がなく盛り場を徘徊(はいかい)せざるを得ない若い女性を助けようという「正義の活動」をしている団体で、仁藤代表は、NHKや朝日新聞、しんぶん赤旗などメディアへの露出が多い有名人だから大目に見たのでは、という見方すらネット上で飛び交っている。

しかも仁藤氏は、個性的な考えの持ち主で、昨年8月にはソウルに飛び、日本大使館前の慰安婦像前で反日団体が主催する「水曜デモ」に参加、「慰安婦問題に日本政府が真摯(しんし)に向き合うことなくして現代の性搾取をなくすことはできない」という〝トンデモ論〟をツイートしている。彼女のツイートと言えば、安倍晋三元首相が射殺された直後、「今回のような事件が起こり得る社会を作ってきたのはまさに安倍政治」とやって顰蹙(ひんしゅく)を買ったのは忘れ難い。

 

こんな人物を厚労省は、「困難な問題を抱える女性への支援」を論議する有識者会議のメンバーに選んでいるのだから開いた口が塞がらぬ。

コラボに4557万円

いずれにせよ、都が2600万円(令和3年度)もの委託費を支出している団体が、「高額なレストランでの食事代やホテル宿泊代、食事代とは理解しがたい物品の購入代」を経費として計上していた、と監査委員が認め、是正を勧告した事実は大きい。監査対象ではない今年度は、コラボとの契約額は4557万8千円に跳ね上がり、5年度予算案でもほぼ同額が計上されている。

監査委員は、①経費内訳の明確化②事業実施状況の確認③「経費を流用しない」旨を契約書に明記④飲食、宿泊費の上限設定―などを勧告した。いずれも公金を使う事業として当たり前の話ばかりだが、これまでいかにどんぶり勘定がまかり通っていたかを如実に示している。

都の担当者は「新年度の契約はまだ決まっていない」としているが、今こそ都議会の出番だ。腑(ふ)抜けた議論は聞き飽きた。杜撰(ずさん)な団体に一銭たりとも税金を使ってほしくない。

 

ではまた再来週のこころだぁ!(コラムニスト)

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