恫喝に怯むDNA

田中良紹
恫喝に怯むDNA
アメリカのいつもの恫喝に怯んで「日米関係は危険水域だ」と叫ぶ人たちがいる。これを見てアメリカは「百年以上も昔から日本は何も変わっていない。日本には恫喝が一番だ」と思っているに違いない。ペリー来航の時から日本人の中には恫喝されると及び腰になるDNAがある。
・・・・
ペリーが艦隊を率いてやって来たが、アメリカのやり方は交渉ではなく恫喝だった。
他の国はみな幕府の指示に従い長崎を窓口に交渉した。しかしアメリカだけは江戸湾に軍艦を乗り入れ、空砲を撃って江戸市中を恐怖に陥れた・・・・
「恫喝されて不平等条約を結ぶ幕府を許さない」と「尊皇攘夷」運動が高まった。

 幕末に「富国強兵」を説いた儒学者横井小楠は、アメリカのやり方を「覇道」と批判、「アメリカに王道を説くべし」と言った。福井藩の俊才橋本左内は「日本はロシアと提携してアメリカに抗すべし」と主張した。しかし幕府は彼らを弾圧、アメリカの要求通りに条約を結んだ。だが恫喝に屈した幕府はほどなく「尊皇攘夷」派に打倒された。

 幕府を倒した明治の官僚国家は日露戦争に勝利して世界を驚かせた。中でもアメリカは、ペリーの恫喝に屈した日本が半世紀も経ずに軍備を整え、ロシアのバルチック艦隊を破った事に恐怖した。日本はアメリカの「仮想敵国」となり、日本攻撃のための「オレンジ作戦計画」が作られ、ハワイが要塞化されて太平洋艦隊が配備された。

 第二次世界大戦でアメリカは「オレンジ作戦計画」のルート通りに日本を攻め、敗れた日本はアメリカに占領された・・・・

「経済戦争」

 再びアメリカの恫喝が始まった。80年代には日本製品をハンマーで叩き壊すTV映像が次々に送られて来た・・・
騒いでいたのはワシントンで、メディアと政治家が恫喝の発信源だった

敗戦国は叩くものだとアメリカは思っている

1兆円を超す日本の資金提供は湾岸戦争に大きく貢献した。しかし日本は誰からも感謝されなかった。人的貢献が無かったからだと説明されたがそれは嘘である。勢いのある経済大国日本を本気で怖れるようになったアメリカは、日本が独自の中東戦略を持たず、ひたすらアメリカに協力を申し出た事で日本をバカにした。中東の石油は日本経済の生命線である。それなのに他人任せである事が分かった。経済戦争であれだけ煮え湯を飲まされたが、本物の戦争が起これば何でもアメリカの言いなりになる。そこから「日本イジメ」が始まった。
・・・・
「アジアは世界で唯一冷戦が残っている」と日本に言って基地を存続させながら、アメリカは着々と中国や北朝鮮と手を組む準備を進めている。・・・・
小泉政権時代に某外務大臣が米中の蜜月関係に懸念を表明すると、「文句があるならもう一度戦争して勝ったらどうか」とアメリカの高官から言われたという。これに日本は反論できない。

 利権まみれの政治のせいで13年間何も進まなかった普天間問題をじっと見てきたアメリカが移設を急ぐ理由は何もない。・・・

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 総務副大臣も…... 「新型インフ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。