子どもを犠牲にする国

高山正之
子どもを犠牲にする国
2009年1月13日 VOICE
ホンのしばらく大学で教鞭をとった。1時限目の授業もあって久しぶりに朝早い時間帯に車を走らせる日々を過ごした。
 
 それで気づくことがあった。よその、まあまともと思える国々と日本の朝の風景がまったく違っていた。
 
 何が違うかというと、よその国ではこの時間帯に必ずスクールバスを見受ける。
 
 学校があれば、その正門前にはスクールバスのほかに子供を送ってくる自家用車がひしめいている。
 
 日本ではそんなスクールバスはいっさい見かけない。子供たちは走る車をかわしながら歩道の区別もない道を歩んでいる。
 
 スクールバスの代わりに日本でしか見かけない光景がある。老人介護の車椅子マークをつけた小型バスがやたら走り回る。
 
 日本ではなぜ子供より老人を大切にするのか。答えは共産党か公明党に聞けばいい。
 
 老人には未来などない。しかしいまは投票権をもっている。それがぼけていても1票に変わりはない。
 
 かくて介護だとか老人健保だとか福祉政策がすいすい立案、成立され、国民の税金で老人どもの面倒を見る。
 
 ただ条件が付く。これだけよくしてもらえるのはわが党のおかげ。介護もする、医療費も安くした。投票所には車で連れていってやるから、こういう名前を書き込め。分かったね。
 
 かくて税金で買った老人介護の車が元気に街を走り回る。
 
 所沢で運転しながら犬の面倒を見ていたおばさんが、集団下校している小学生の列に突っ込んで8歳の女の子を死なせた。
 
 輪禍だけではない。奈良では下校途中の幼女が変質者に連れ去られ、殺された。栃木県今市市でも同じ悲劇が起きたが、どこもスクールバスを走らせようとはしない。票にならないからだ。
 
 そして今日も老人バスは児童を蹴散らして街を行く。なんともいびつな日本の景色だ。
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