60歳過ぎの女性は100パーセント、甲状腺がんを持っています

中川恵一
60歳過ぎの女性は100パーセント、甲状腺がんを持っています

なぜ60歳過ぎの女性に甲状腺がんがそれほどあるのか、まだよくわかっていませんが、少なくともほとんどの女性は、甲状腺がんがあっても、人生に何ら影響はありません。いわゆる天寿がんですね。前立腺がんにもそういう面はあります

がん検診のすすめ
東大付属病院放射線科準教授の中川恵一医師によると、「甲状腺がんは、なんら人体に危害を加えることもなく、治療の必要も無い。本来は検査をする必要もないがん なのですが、韓国の場合、過剰な検査によって、甲状腺がんの患者が急増しています。このがんは、女性に多いのですが、韓国では癌患者数の一位になっています。その患者さんの100%が手術をしています。やはり、がんだとわかってしまうと、どうしても手術をせねば、と考えてしまうのでしょうが、実は、この手術は意味の無い無駄なことなのです」と述べている(週間文春8月26日号、P39)
甲状腺がんでも91%以上は乳頭がんであり、乳頭がんは発育が遅く、10年も20年も変わらない と学生時代に習ったことがあるが、現在では、甲状腺がんでも乳頭がんなら、手術をしないで様子を見るという方針の専門医も多い。
 甲状腺がんの治療方針は手術による甲状腺切除ということになっているが、手術すると生涯に亘って甲状腺ホルモンの補充療法を要する場合が多い。手術しないですむものなら様子見のほうが良い。

 日本医事新報No.4514(2010・10・30日号)によれば、10mm以下の甲状腺がんは、微小がんと定義され、そのほとんどは乳頭がんである。甲状腺乳頭がんの手術方針は未だ確立されておらず、各施設で方針が異なる。
 ある調査によれば、無症候性微小がんを13年間追跡したが、このうち90%は腫瘍径の変化が無く、リンパ節の腫大を認めなかった。そこで経過観察中にリンパ節腫大出現、腺外浸潤、20mm以上のリンパ節腫大、遠隔転移のいずれかを有するタイプには外科手術を推奨している。
 この結果によれば、微小乳頭がんは、超音波でリンパ節腫大がなく、かつ、半回神経麻痺や気管浸潤、前頭筋浸潤の所見が見られなければ経過観察で良いということになる。95%がこのタイプに属するので、ほとんどは経過観察で良い事になろう。


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