タイの赤シャツ部隊の黒幕はタクシン前首相だが、その背後は誰だ

宮崎正弘
タイの赤シャツ部隊の黒幕はタクシン前首相だが、その背後は誰だ
タイの政変で日本人カメラマンが狙撃された。この狙いは?


もともとタイの政治は穏やかな仏教徒という表の顔と裏には華僑と軍が組んだ独特の汚職体質、暗い部分がある

タイ学生運動は発火点が「反日」である。
 1972年、バンコックに進出した日本のデパートを疎ましくおもった華僑が秘密裏に資金を出し、学生を煽った。田中角栄の訪問でタイに反日暴動がおきた。裏側にいたのはタイに溶けこんで政権と癒着した華僑だった

タイ先住民と少数民族(カチン、カレン族など)は経済的に恵まれず、華僑や華人の子らがいく大学へ入れず、職業訓練校や専門学校につどう。
だから「タイ全学連」なるものは主流派エリートと反主流に鮮明に別れ、殺し合いも演じた。警察や軍はタイ族主流のため、エリートに反発していた。この構造はいまも変わらない

赤シャツ部隊にはタクシンから豊富な資金が流れ込んでいる
 赤シャツ部隊はタクシン元首相が農村部にカネを蒔いて買票した結果であり、タクシンそのものは世界有数のビリオネア、貧乏人への同情など希薄である

経済と流通を牛耳る華僑はまとまっていない。
華僑、華人はタクシン派と反タクシンとに別れ・・・

タクシンは客家系で父親は警官から下院議員となったたたき上げ、タクシン本人も警官から米国へ留学し、警察内部の出世街道にのったものの次々と事業に失敗、最後の一か八かを通信ビジネスへの進出で大当たり、政治家デビューは1994年。自身の政党「愛国党」は2001年に設立し、北京にも支部がある。親米、親中派だ。

アピシット首相は華僑の名門。そもそも英国生まれ、オックスフォード大学卒業、タイへ帰国しても弾サーと大学教授と、根っからのエリート、両親は医者という名家。
 政治家デビューは1992年、民主党。親英派

図式的に見ればタクシンvsアピシットの根の深い対立構造があり、ちとやそっとで解決できたり、一夜にして政治の流れがかわるという状況にはない
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