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ラスプーチン プーチン チン
斎藤 勉(さいとう つとむ、1949年 - )
日本のジャーナリスト。産業経済新聞社論説顧問。ソビエト連邦の崩壊を世界に先駆けスクープした
2018/11/11の記事↓ですが いい線言ってますね
【日曜に書く】中露「蜜月」の不都合な真実 論説委員・斎藤勉(1/2ページ)
《ラスプーチン プーチン チン》
国際政治学者の間で語られている語呂合わせジョークだ。
ラスプーチンは帝政ロシア最後の皇帝、ニコライ2世一家に取り入り、宮廷内で絶大な権力をふるった怪僧。プーチンは無論、いまのロシア大統領。最後のチンは実はシュウでもリーでもよい。中国人の象徴的な姓だ。要はロシアの過去、現在、未来の支配者の羅列で、ロシアはいつの日か中国人の軍門に下ってしまう-との予測、あるいは警告なのだ。ここで論議されている「チン」の支配領域はさすがにロシア全土ではない。4千キロもの国境で接する極東ロシア地域である。
筆者がモスクワ特派員だったソ連崩壊時、事実上無法状態となった極東に「中国人が大量に押し寄せる」との流言が広まった。いわゆる「黄禍論」だ。その懸念は、日本と同じ少子化と労働力不足に悩むロシアでいま、現実となりつつある。
「ロシア民族は消滅する」
中露国境をにらむザバイカル地方当局によると、極東ロシアの人口は現在、わずか620万人とソ連末期より200万人も減った。これに対し、中国側の吉林、遼寧、黒竜江の3省合計は実に1億3千万人。中国人の合法、違法のロシア側への浸透が続き、その滞在数は最大150万人ともいわれる。
ロシアの近未来像について、影のCIAと呼ばれる米国の民間情報機関「ストラトフォー」に長く勤務したP・ゼイハン氏の著作『地政学で読む世界覇権2030』(東洋経済新報社)の指摘は衝撃的である。
「ロシア民族は消滅しようとしている。ソ連崩壊とともにロシア人の出生率は急落した。一方でトルコ系ムスリム人口は若く活気にあふれ、人口も増えている。数世代後にはロシアが国家として、ロシア人が民族として生き延びるのは不可能になっている。ロシアに行動を起こす力があるのは、あと8年が限界だ。失敗すれば、軍隊への人員配置も、国内の道路や鉄道の維持も地方都市の衰退阻止も、国境線監視もできなくなる。
残された時間の最も効率的な使い方は、ロシアの兵力を、ユーラシア中央部を含む境界地域のなるべく多くの場所に配置し直すことだ」(「ロシア・近づく黄昏」の項から抜粋)
「中国領」奪回に歴史的執念
要するに、近未来のロシアは欧州中央部一円以外のすべての周辺地域から撤収しない限り生き残れないとの悲観論だ。
撤収で極東ロシアに巨大な「力の空白」が生じた時、中国が躊躇(ちゅうちょ)なく領土的野心の牙を剥(む)くことは、かつて米軍のフィリピン撤収に伴って空白となった南シナ海に巧みに浸透した過去をみれば十分に予測可能だ。
「チンが極東を支配する日」、まさにロシアの事実上の分裂・解体の到来は、あながち悪夢とばかりとはいえまい。
黒竜江省出身で日本在住の50歳代の男性は「私の子供時代から現在に至るまで、150万平方キロの元中国領が帝政ロシアに不平等条約で奪われたと歴史教科書で教えられている」と語る。いまはネットでも同様の書き込みが頻出しているという。不平等条約とは、日本海に面したウラジオストクまでの沿海州などをロシアに併合された北京条約(1860年)と愛琿条約(1858年)を指す。国民の間では領土奪回への歴史的執念がくすぶっているのだ。
北方領土は「日中問題」に
ロシアは中国との間で2004年、最後の国境線画定で合意したが、これも世界覇権へと動き出した中国の領土要求を封じるためだったとの見方が強い。
ロシアは最近、トランプ米政権と日米同盟に対抗するため、中国との過去最大の合同軍事演習で「蜜月」を誇示したり、北方領土で軍事訓練を繰り返すなど強硬姿勢を見せつけている。だが、現実のロシアはかつての中国との兄弟関係が逆転、GDPと人口はほぼ10分の1に転落した。クリミアやジョージアの一部は併合したが、国際的な不興を買い始めているとはいえ、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の圧力で旧ソ連の勢力圏だった中央アジア各国への影響力が減退している。極東の衰退に加えて、この地域のロシア離れにも直面しているのだ。
「チンの極東支配」がジョークでなくなれば、日本の国益への跳ね返りも甚大だろう。北方四島の返還交渉がいつまでも決着しなければ、北方領土は日露から日中問題になる!?(さいとう つとむ)
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