5年間は国が150万くれるが、5年経ったら開拓した農地は地権者に取られてしまう
開拓した農地を取られるとは、5年間の努力がゼロになる事です。

田舎暮らしにあこがれて移住し、農業を始めるのがブームだったが、そうした人たちはその後どうなったのだろうか。
農業で成功した人が居る一方で、やはり上手く行かず都会に「Uターン」する人も多いようです。

田舎暮らしの失敗例
田舎に移住する人の中には農業に憧れて、田舎に引っ越す人が居るが、当然ながら土地を持っていません。
今農業をしている人の多くは親から農地を「タダで」受け継いだ人たちで、親から農業の手ほどきを受けたと思います。
大げさに言うと農業英才教育を受けたエリート達で、そんな人たちですら農業で食べていけないと言っています。

対して田舎に移住する人は若い人は20代も居るが、30代から40代、あるいは50代で農業経験なしという人も居る。
考えただけで前途多難だと思うのだが、最近は地方自治体が農業体験の機会を設けたり、給付金を出したりしています。
農業用地や住む家も、空き家とか耕作放棄地を紹介するなど、都会の人が農業に参加しやすくしています。
最近では政府が就農給付金制度(農業次世代人材投資資金)をつくり、農水省が「農業を始めたい皆さんを応援します!」とPRしています。
内容は新たに農業を始める人には、年間150万円をくれるという凄いもので、研修期間も年150万円を助成する。
自治体が農地や住む家も紹介してくれて、何の問題もなく農業を開始できるようになっている。
ところがこれらは皆、始める前の支援なので、田畑を耕したり収穫して売るのは、自分でしなければならない。
農業を始めてから上手く行かずに、結局は撤退する人が多いのが現状だそうです。
まず新たに農業を始める人たちは「農業エリート」と違い、親が農民じゃないし、子供の頃から手ほどきも受けていない

多くの転職者が5年で廃業する理由
家庭菜園とかアウトドアをやった事がある程度なので、大人になって農業の技術を習得するのが難しい。
子供の時から、田んぼや畑で虫を取っていた人とは、やっぱり経験や知識、技術に大差があります。
研修を受けて農地を手に入れて、教えられた通りにやっても、周囲の農家の半分も収穫できないでしょう。
新たに始める人は無農薬とか有機栽培とか、理想的な農業を目指す人も居て、それらは普通の農業よりも難しい。
年間利益は100万円以下なので、給付金150万円を足してやっと生活できる程度です。
それだと農機具とか必要な経費が出ないので、農閑期には都会に出稼ぎに出る事になります。

この調子で5年目を迎えると、多くの人は「辞めて都会に戻ろうかな」と考えます。
農地や空き家を貸している農家も、4年目くらいになると、「そろそろ出て行ってくれないか」と言い出します。
農業でやっていけないのは傍から見て分かるので、給付金が無くなったら家賃や地代を払えなくなるからです。

やっと耕した田んぼや畑が、ようやく収穫できるようになって「出て行け」というのも酷い話ですが、続けたらもっと酷い事になるでしょう。
実際真剣に頑張った挙句、農作業と出稼ぎで身体を壊し、ボロボロになった人も居るようです。
経営的に上手く行っていたとしても、やっぱり5年ほど経つと立ち退かせる例が多く、この「5年間」に秘密があるらしい。

騙され利用される就農者たち

放棄して荒廃した農地を耕して収穫できるようになるのが大体5年で、農地を貸す人は最初からそれ目当てで貸す場合があります。
荒れた農地を耕したら、所有者は農地を取り上げて自分で収穫すれば、面倒な手間を省けるのです。
農業就職支援制度などは国や自治体がやっている事で、農家は必ずしも「よそ者」を歓迎しません。

だいたい農村というのは隣同士ですら仲が悪い事が多く、僅かな事で反目しあっているものです。
隣りから農薬が飛んできたとか、隣から来た虫に作物を食われたとか、争いの種は無数にあり協力的ではない。
まして都会から来た新規就農者は「利用できるだけ使ってやれ」と考えている地主も居るのです。
借地権は30年間有効な筈ですが、正式な契約を交わしていないのか、一方的に立ち退きを宣告されます。

無料で仕える開拓民として利用されたあげく、土地を開墾したら追い出されます。
こうして非常に多くの人が、5年以内に農業を辞めているのでした。

これから農業を始める人は、開墾したら自分の土地になるのか、契約書を良く確かめた方が良いです。