いまだに中国へ 巨額の援助する日本

宮崎正弘
いったい誰が伏魔殿のごとき対中援助を決めたのか 
  六兆円も投じた日本の対中ODA援助に中国は感謝したことがあるのか


古森義久・青木直人『終わらない対中援助』(PHP)
対中円借款は打ち切りになった筈である。
日本のマスコミ報道がそう言っていた。
 ところがアジア開発銀行などへの巧妙な迂回融資で、日本の巨額が「援助」という名の下に、いまだに中国のインフレ整備に回され、それは間接的に中国の軍事力の増強に繋がり、つまり日本の「国益は失われ」、「いちばん税金の無駄遣い」を日本は繰り返していることになる
嘗てスターリンが言った。「奴らは自分を吊すロープを敵に売っている」と。

 それなのに日本政府、外務省は日本にミサイルの照準を当てている仮想敵に、なにゆえに援助を続けるのか?
 産経新聞で早くから、この腐臭を放つ稚拙外交の主柱=ODAの矛盾を指摘した古森氏と、アジア開銀の迂回融資の実態を鋭くえぐった青木氏が最新のデータをもちよって現場の実態を抉っている。

 「血税が使われているのだから明細を公開して欲しい」と要求しても、資料を出し渋るのは日本の官僚、なぜなら厳しくカネの行き先をつきとめる規制がなされておらず、その法律的欠陥の多い監査の杜撰さを利用して巨額が、曖昧な海外案件に流れ込み、ましてや援助を受けた中国は「日本からの援助」を対外広報しない。
感謝の言葉は一切聞かれない。

 古森義久氏が批判の口火を切る。
 「日本のODAは、その援助の実施を規定する国内の法律や法令はまったく存在しません。政府が毎年、公的資金一兆数千億円を投入する国家事業であるにもかかわらず(米国にもイタリアにも細かな規定があるのに)、それを施行するための明文化されたルールがない」。
 しかも、中国を優遇するためなのか、外務省の反対で規制法は成文化されない。

 青木直人氏は「中国へのODAが非常に優遇された」事実を述べたあと、こう補強する。
 「日本の対中援助は世界最長で最大規模の援助だった」。「アンタイドローンという援助も加えれば、実に六兆円にのぼる」。
 最悪の問題は、この問題を頬被りしてうやむやな裡に中国への援助を三十年間にもわたって、われら国民の血税から出させてきた外務省と、ODA所管の官庁ならびに追求を怠った政治家。それを知っていたのに、一行も書かなかった大手マスコミという売国奴的な日本人の存在ではないのか。
 無駄なODA外交の伏魔殿の闇は深い。
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