検査や治療で病気になる!患者が知らない医原病

ゲンダイネット
検査や治療で病気になる!患者が知らない医原病
CT検査、歯科治療、注射…

 よかれと思って受けた治療や検査が原因となって発症するのが、“医原病”だ。血友病患者が血液製剤でエイズに感染した「薬による医原病」が有名だが、CT検査や歯科治療で起きることもあるのだ。

 50代のAさんは左の背中にかゆみを伴う発疹ができ病院へ。皮膚科で治療を受けたが、症状は一向に改善しない。
 実はAさん、3カ月ほど前に狭心症と診断され、バルーン拡張とステント留置の手術を受けていた。
 発疹が出た場所は、この時受けたX線照射個所と一致したため、放射線皮膚障害と診断された。
「最近はAさんのようにX線透視下での治療(IVR)を受けるケースが増えています。一般的なX線検査なら問題ありませんが、1カ所を照射されたまま長時間手術すると、放射線皮膚障害が起きることがあるのです」(関東の放射線医師)
 放射線皮膚障害は、放射線の吸収線量が2~3グレイ(Gy)までなら一過性の紅斑・脱毛、18グレイを超えると皮膚の壊死(えし)や潰瘍などの重度障害が起きるとされる。被曝から数時間から1年以上で発症するという。
「放射線皮膚障害が起きる可能性があるIVRは、冠動脈形成術や不整脈のカテーテル治療、肝臓や脳血管の塞栓術などです。もちろん、放射線によるがん治療も、放射線皮膚障害を発症させる可能性はあります。放射線被曝の怖さは昔からいわれ、慎重になった点も多いのですが、放射線科以外の医師の中には無頓着な人も時々います」(がん病院の放射線医師)
 重度の放射線皮膚障害の治療には、しばしば皮膚移植が必要になる。
 CTやMRI検査に用いる造影剤の副作用は、100人中1~3人の頻度であるとされる。発疹や嘔吐などが中心だが、腎機能が低下することも。
「ヨード性造影剤投与後3日以内に起きる腎機能低下で、他に原因のないものを造影剤腎症といいます。病院内の急性腎不全の上位の要因で、倦怠感やむくみなどの症状があり、発症後一時的に透析が必要になることも。腎臓が悪い人、70歳以上の人がかかりやすい」(都内の腎臓病専門医)
 医原病は、ほかに注射針による神経損傷などがあるが、意外に多いのが歯科分野だ。
「虫歯が進行して、神経や血管が詰まった歯髄が細菌に侵された場合、根管治療が行われます。歯科医の中には時間がないからとおざなりに治療する人がいて、それが原因でそこに膿(うみ)がたまり根尖病巣ができてしまう。これが意外に多い。また、虫歯でかぶせ物をしたものの、左右の歯の高さを調節しなかったため、頭痛が起き、顎関節症になるケースも時々みかけます」(自由診療の歯科医)
 安易な検査や治療は禁物なのだ
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