アルツハイマー治療薬、「漢方薬」併用で効果アップ

毎日新聞

毎日のクリニック:アルツハイマー治療薬、「漢方薬」併用で効果アップ

 アルツハイマー病の治療薬と市販の漢方薬「人参養栄湯」を併用することで、患者の認知機能低下や病気に特徴的なうつ状態 に回復傾向がみられたと、慶応大などのチームが近く、日本老年精神医学会の英文誌に発表する。今後、投与する患者数を増やし、効果の検証や仕組みの解明を 進めるという。

 アルツハイマー病患者の脳では、情報をやり取りするための神経細胞の突起を包む「ミエリン」と呼ばれる さやが失われることが分かっている。チームが、アルツハイマー病マウスに、さまざまな薬剤を投与したところ、人参養栄湯では、失われたミエリンが再生され ることに気づいた。

 人参養栄湯は病後の体力低下や疲労回復などに使われる。自ら意思を決められる中程度の進行度の患者を選 び、同意を得た上で、2011年から2年間、既存の治療薬「ドネペジル」(毎日5ミリグラム、商品名アリセプト)と人参養栄湯(同7・5グラム)を患者 12人(平均年齢75歳)に投与。ドネペジルのみの患者11人(同75歳)と、症状の変化を比較した。

 その結果、6カ月後には、併用した患者群ではドネペジルのみの患者に比べ、うつ状態を示す数値が改善し、その効果は2年続いた。また、記憶や判断力などの認知機能もほぼ同様の効果があった。一方で、妄想や無関心など他の症状では両者に差がなかった。

 チームの阿相皓晃・慶応大講師(神経科学)は「患者や家族にとって朗報になっている。人参養栄湯のみでも有効なのか、重度の患者に効果があるのかなど、研究を続けたい」と話す。

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