頭痛「低気圧や台風が近づくと痛い」は思い込み

なかなか 説得力ある解説

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本当は怖い頭痛の研究】「低気圧や台風が近づくと痛い」は思い込み? 他の誘因に目を向け天気を気にし過ぎない

昔から「台風や低気圧が近づくと頭痛が起こる」という頭痛持ちの話をよく聞く。いわゆる“気象病”と呼ばれる気圧変化による頭痛だ。

 ところが頭痛に詳しい「秋葉原駅クリニック」(東京都)の大和田潔院長は、「最近では気圧変化が頭痛に影響することには、否定的な研究データが多く出ています」とした上で、こう続ける。

 「たとえば、地上450メートルにある東京スカイツリーの展望台の気圧は950ヘクトパスカルです。一方、台風の平均的な中心気圧は980ヘクトパスカルで、低気圧では1000ヘクトパスカルくらい。展望台に昇ったときの(短時間の)気圧変化の方が大きいのに、利用者に頭痛は起きません

 天気で頭痛が起こると感じている人は、もっと他の誘因に目を向けた方がいいという。「仕事で多忙」「睡眠リズムの崩れ」「月経周期」などの方が、よっぽど頭痛に影響する。天気のせいにすると、本当の誘因が分からなくなってしまう

 「天気図で見ると台風や低気圧は視覚的に近づいてくるので、気にし過ぎると『思い込み』に引きずられて気分が落ち込む人がいます。すると脳の痛みを感じる『閾値(いきち)』が下がって、頭重感などの痛みが出やすくなるので、天気を気にし過ぎるのはよくありません」(大和田院長)

 天気の変化は頭痛の誘因としては低いランクに位置づけられているが、注意するのであれば「気圧変化」よりも「気温変化」だ。人の体は一定の体温を保つために、気温が急激に下がったり、上がったりすると血管を収縮させたり、拡張させたりして調節する。脳血管も環境温度の影響を受けて頭痛が起こりやすくなるという。

また、頭痛持ち(慢性頭痛)でなくても、気温の低い冬場になると誰にでも起こりやすくなる突発性の頭痛がある。顔の感覚を脳に伝える三叉(さんさ)神経が、脳血管の収縮や拡張によって刺激されて起こる「三叉神経痛」による頭痛だ。

 「突然、ズキッと刺すような痛みが数秒から数分続き、同じ場所が繰り返し痛みます。痛む部位は、後頭部や頭頂部、側頭部など刺激される三叉神経の場所によって異なりますが、左右どちらかの片側性の痛みです。寝ている間にも起こるので、ビックリして救急車で運ばれる人もいます」(大和田院長)

 男女差なく発生し発症頻度も多いが、放置しても1週間~10日ほどで自然に治るという。対処法は、帽子やマフラーなどを使って冷たい空気が顔や頭部に触れないようにすること。

 ただし、はじめて経験するような激痛の頭痛はクモ膜下出血などの危険な頭痛の可能性もあるので、必ず受診しよう。(新井貴)

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