n.kPのミリマス記録

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【ネタバレ注意】君の名は。-「誰そ彼」の物語- 3

2016-09-05 01:37:40 | 君の名は。

こんばんは。
今週末行われたアイマス・シンデレラガールズ4thライブ初日の現地会場に足を運んだ後、三宮の映画館で君の名は。の映画2回目を見てきました。
朝のうちにチケットを取ったのですが、その地点でかなりの座席が埋まっていて驚きました。


そしてこのタイミングでパンフの在庫復活。無事買えてよかったです。
2回目見た後にパンフ読んで思ったことを改めてまとめておこうと思います。
やはりネタバレまみれなので、読む際は注意してください。




○背景のリアルさ、緻密さ
新海さん作品の特徴なのかなとは思うのですが、都会も田舎も、まるでそこが現実世界であるかのような突出したリアルさを持っていて引き込まれました。
パンフ見ると余計にね、凄いと感じるんです。
音楽も素晴らしいのですが、この背景やイラストのリアルさ、緻密さが物語の基盤を形作っているのかなと思います。


…ということを3つ目の記事でようやく話題にするほどにそれが当たり前であるかのように配置されていて、それに自分でも今驚いています。


あと、背景だけじゃなくて設定とかも緻密ですよね。
映画見て原作読んでスピンオフ読んでパンフ見たんですが、映画に出てこなかった設定とか裏話みたいなの結構載っていました。
サヤちんの家の位置まで設定してたのにはびっくり。サヤちんの家とかパンフ以外どこにも出てこなかったので…(ただ、テッシーと一緒に通学してるのが自然な位置関係ということは分かった)

あの感じだと絶対設定するだけしてどこでも使ってない情報とかありそう。(宮水家のこととか特に)





○奥寺先輩とたばこ
物語の中盤、瀧たちが糸守を訪れた日の夜。奥寺先輩がたばこを吸っているシーンがあって、まるで失恋した後みたいな感じになっていたのがふと気になりました。

本当にある種の失恋だったのかなと思います。
ここ最近の瀧(=三葉)が好きになったけど、デートの時に来たのはその人ではなく「まるで別人の」瀧だった。
糸守に来て隕石のことを知って酷く動揺をする瀧を見て「誰かの影響があったのは間違いない」と言っていましたが、実際には入れ替わりにも薄々感づいていたんじゃないかなぁと思います。
三葉のことで悲しんでいたのは、実は瀧だけではなかったのかもしれないというお話。


…というか、入れ替わりであれだけお互いやらかしてるので、誰か気づいても全然不思議ではないんですよね。
ムスビの力でそうはならないようになっているのかもしれないですが。





○隕石が落ちる前の日の入れ替わり

物語後半(隕石が糸守町に落ちる2日前くらい)からの入れ替わりは、お互いの視点が交互になっているうえに時間もずれているのでかなり複雑でした。

入れ替わりは瀧と三葉で3年ずれていますが、日付はたぶん同じ。
隕石落下は見落としや間違いがなければ10月4日。



そしてこの入れ替わり、基本的には朝目覚めたときに入れ替わっている/元に戻っているのですが、一度だけその例外になることがあります。


三葉(中身瀧)が口噛み酒の奉納へ行き、かたわれ時に一葉から「夢を見ている」と言われ意識がなくなるときです。

あの時瀧は次に目覚めたら自分に戻った上で朝になっていましたが、そしたらその日の夕方以降の瀧(中身三葉)はどうしたんだろうってなりますよね。



実はもう1つだけ入れ替わりの例外があって、それは瀧が口噛み酒を飲んだタイミング。
その入れ替わりも、隕石当日の朝になっているので似てるなとは思うのですが、中身の動きが合わない。

「夢を見ている」と言われて意識が飛んだのは、「入れ替わった瀧が3年前のこととして知っている(はずの)彗星の話題が出てきて、矛盾(エラー)が生じたため入れ替わり強制終了」と読むのが一番自然でしょうか。





<隕石落下の2日前(10月2日)>
瀧(中身三葉)はこの日までに奥寺先輩とのデートの約束を取り付ける



<隕石落下の前日(10月3日)>
瀧:奥寺先輩とデート→失敗に終わり三葉に連絡を取ろうとするもつながらない


三葉:奥寺先輩と瀧がデートに行ったとわかり涙が流れる
→東京の瀧に会いに行く
→瀧(3年前)に会うがその瀧は三葉のことを知らない(髪飾りの組糸を瀧に渡す)
→※その日の夜(翌朝?)、帰宅後にそのショックで髪を切る


<隕石落下の当日(10月4日)>

三葉
(一度目)
学校を休む
→テッシーにお祭りに誘われる
→お祭り会場で被災


(二度目)
当日の朝、すでに髪を切った状態で(瀧として)起きる。


※一葉に髪を切ってもらったシーン、映画では朝だったと思うのですが原作読んでいると夜って書いてあるんですよね…どちらでもいいような気がするんですが、切ったのが朝だと一度目と二度目の整合性が取れない。(二度目は髪を切った状態で起きているので)



二度目の隕石落下当日の三葉(中身瀧)のタイミングで瀧と入れ替わった三葉は、入れ替わりの直後に3年後の糸守町を見て「やっぱり…」という言葉と共に自分が隕石で死んだことに気付くので、少なくとも隕石落下そのものは知っています。
隕石落下で命を落とした、あの世の三葉が出てきた?


※この内容について、加筆修正に当たる内容を別記事で上げているのでもしよければそちらも参照ください






○かたはれ時の糸守湖
2人が糸守湖で「初めて再会する」シーンですが、2人が山頂でお互いを探しているときの背景は、糸守湖だけのものと新糸守湖付きのものが見事に描き分けられています。
三葉(中身瀧)のいる世界は糸守湖のみ。(隕石落下前の世界)
瀧(中身三葉)のいる世界は糸守湖と新糸守湖もある。(3年後の世界)
この2つの風景がそれこそ瞬間瞬間ごとに描き分けられていて、この時はまだ2人が別々の世界にいるのだと感じさせられます。


かたはれ時になり、2人が遭った瞬間は糸守湖のみの描写です。
入れ替わりもこの瞬間に解けています。








細部まで気になって考えたり調べたりしたのですが、考えれば考えるほど、この作品の本質から離れていくというかというか、設定を深読みするよりかはその場面の感情を見届けるというスタンスの方が上手にこの作品と付き合えるような気もしてきました。
ある程度は理解しておいた方がいい気もするのですが、あまり深読みするのは不毛ですかね。

いずれまた3回目は映画館で見ておきたいと思うのですが、自分なりにこの作品に対するスタンスを決めてからかかれたらいいなと思います。


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追記。
思いついたことで新しい記事にするほどのことでもないこと。


(9/7追記)
○「カタワレ時」の真意
作中で、夕方を表す言葉として「かはたれ時」が出てきますが、糸守町ではその方言として「カタワレ時」という表現が出てきます。
この地方特有の話し言葉ですし、作中でもカタカナで表記されていますが、漢字ではどのように表記するのでしょうか。



私は「片割れ時」かなと思っています。
糸守町では1200年前に彗星が落ち(その結果糸守湖ができた)のですが、おそらくその時にも「彗星が2つに割れてその片方が」糸守町に落下したのではないでしょうか。


一つ前の感想記事で、糸守の町を次の隕石被害から守るために、かつて糸守に住んでいた人々が文字よりも長く残る方法で彗星被害を後世に残そうとしたというエピソードを挙げたのですが、この「カタワレ時」という表現もその一つではないのかなと。
文字だと火災で焼けてしまいますが、方言という形で使われるとその地域の人がいなくならない限り基本的には残りますからね。



夕暮れ時、ふと空を見上げるような時間帯に星が割れているのを見たら気を付けるようにというメッセージが込められていたのかなと思います。
実際に1200年前には夕暮れ時に隕石が落ちたのかなとも思いますが…これは全くわからないですね。




※君の名は。感想記事

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