18年ぶりに三国丘高校の教壇に帰ってきて、去年の10月から1年生の「公共」を担当した。常勤講師で週16時間(2×8クラス)。本日、終業式が行われすべての仕事を無事終えた。72歳、これで完全リタイアーである。
思えば三国丘高校に赴任したのは1986年、35歳のときであった。第2次ベビーブームの頃で、1学年16クラスの生徒を受け入れるために北館が建設された年だった。いま職員室や事務室が入っている北館は、もとはといえばすべて教室だった。
↑ 写真左奥の黒っぽい建物が旧校舎 北館は右上端の白い建物
↑ 旧校舎(昭和7年(1932年)に建てられ62年間使用された。建設費は35万円)
1994年に新校舎が完成し、3月28日に旧校舎から新校舎に引っ越しが行われた。全生徒が机と椅子を抱えてぞろぞろと運動場を横切り、真新しい新校舎に運び込んだ。まるで新築マンションに入居するような気分だった。新校舎の建設費用は15億円。円形の窓は旧校舎のデザインを生かしたもの。
↑ 正門は北側に移された。
写真右が北館 ↑
↑ 生徒玄関
↑ モダンな螺旋階段
↑ 教室棟への渡り廊下
↑ 左のソフトテニスコートに旧館の校舎があった。
百周年記念事業で東京藝大教授薮内佐斗司氏(高24回)による像がつくられ、その後、新三丘会館や体育館への連絡橋が作られ今の形となった。
三国丘高校には結局、35歳から53歳まで18年間勤務した。新校舎の設計段階から職員会議で議論したから、建物の一つ一つが懐かしい。
4月になるとまた新入生がやってくる。今度の1年生は78期生である。私が担当した77期生は私の授業を受けた最後の生徒になる。これまでの人生で最高の授業ができたという充実感と、「やり切った」という満足感がある。授業でまいた種が20年後30年後にどういう実を結んでくれるのか。楽しみである。
「ありがとう三国丘」
心の中でつぶやいて、一礼をして校門を後にした。