当たり前に野球ができていると思っている選手。
我が子が野球をしている事が当たり前だと思っている親御さん。
一人の少年の話を聴いて下さい。
野球少年と病
谷颯馬君。
石川県に住んでいる野球が大好きな中学2年生。
彼はQT延長症候群という心臓に爆弾を抱えた病気を持っています。
突然意識を失ってしまう・・
いつ急に倒れるかわからない難病です。
颯馬君は小学校3年生から野球を始めました。
QT延長の疑いはありましたが運動制限もなく・・
野球を楽しんでいる少年でした。
中学に入る時・・
QT延長症候群と診断され運動制限を医師から伝えられました。
この病気は先天性。
ご家族に心臓が弱い方が多かったお母様は
『私のせいだ』
とひどく落ち込んでいたそうです。
自分も検査の結果を聞く
検査の結果が出た時・・
医師は颯馬君の気持ちを考え部屋から出るように言いましたが・・
颯馬君は・・
『大丈夫です。この耳で僕も聞きたいです』
と一緒に話を聞きました。
結果は・・
お母様ではなく・・
お父様からの遺伝でした。
父から子に遺伝する確率は1/2。
この時のお父様の気持ちを考えると
同じ親として何とも複雑な想いになります。
野球を続けるべきか
この時・・
颯馬君は既にボーイズリーグに入団していました。
『野球を続けたい。バッピでも何でもいいから野球を続けたい』
彼はこうご両親に訴えました。
お父様とお母様は・・
何度も何度も悩んだそうです。
周りからは・・
『野球をやらせるなんて何を考えているんだ』
そういうお声もあったそうです。
しかし・・
颯馬君の意志は固いものでした。
ボーイズのスタッフの方々にも病名を告げると入団を快く引き受けてくれたそうです。
入団してから1年が過ぎました。
彼は心臓に負担がかからないよう野球を続けています。
ダッシュや長距離走は皆と同じようには出来ません。
ピッチャーである彼は長いイニングを投げることも制限がかかっています。
きっとみんなと同じ練習をしたいはずです・・
お母様はそうおっしゃっていました。
野球が出来ることは・・
ダッシュが出来ることも・・
長距離を走れることも・・
長いイニング投げられることも・・
全て当たり前ではないんですよね。
毎日【何気なく】野球ができている事は当たり前じゃない。
颯君は高校に入学しても何かの形で野球に携わりたい・・
そう話しています。
プレーヤーが難しくても・・
マネージャーという選択肢もあるかもしれません。
マネージャーが難しくても・・
小中学生の指導者の道もあるかもしれません。
写真はボールを見つめる颯馬君。
颯馬君の明日が輝きますように・・
明日は明るい日と書きますから・・
その明日が未来に繋がりますように・・・。
皆さんも颯馬君を応援してあげて下さい。
そして・・
全国の野球少年と親御さん・・
野球が出来る事は・・
当たり前ではなく・・
有り難しことだと噛みしめてみてください。
電話で颯馬君と話しをさせていただきました。
『どんなピッチャーになりたい?』
そう聞くと彼はこう言ってくれました。
『みんなの想いを背負ってマウンドに立てるようになりたい』
君の想いも必ずみんなに伝わっているはずです。
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