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(公財)日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)
東北支部所属
『南会津ボーイズ』の活動報告をしていきます。

ミスを“悪”と捉えて怒鳴るしか能がないスポーツ指導者にもの申す

2015-06-24 | e.t.c

■怒鳴り声しか聞こえない河川敷の野球場

先日、メーカーからお借りしているバイクを撮影しようと近所の河川敷に行ったときのことです。ときは夕方、ちょうど少年野球チームが練習をしていました。

ひとりで黙々と撮影をしていたのですが、どうも耳に残る“何か”がある。なんだろう、と手をとめて耳を澄ますと、僕が異音と思ったのは、野球チームのコーチの怒鳴り声でした。それも、ずっと怒鳴りっぱなし。

選手が怠惰なプレーをすれば、怒鳴られるのは当たり前。さぼっていれば、怒鳴られるのは当たり前。でも、練習中ずっと怠けっぱなしの選手なんかいるわけがありません。にもかかわらず、コーチの怒鳴り声が途切れることはありませんでした。

いえ、決してそのコーチが選手たちのことを憎くて怒鳴っていたのではないでしょうが、“怒鳴る”以外の表現が思いつかないほど、声を荒げておられたのです。

僕も部活経験があるので、さして珍しいことではないとも思う部分があります。が、改めて日本のスポーツって“体育”なんだなぁ、と感じ入った次第です。

練習の様子を見ていて気づいたのは、そのコーチがミスに対して怒鳴り度合いを高めていたことでした。「そりゃミスすりゃ怒鳴るだろう」と思われるかもしれませんが、ちょっと待ってください。


ミスは“悪”ですか?


■貴重な機会を握り潰す指導者こそ悪

答えは、否。ミスは“悪”ではなく、新しい知識と経験を得るためのステップのひとつです。そして指導者がやらねばならないのは、その選手のミスについて「何がよくなかったのか」、「どうすれば改善できるのか」、「どうすればより良いプレーを生み出せるのか」をともに考え、導くことです。怒鳴ることではありません。

そもそも、地域のリトルだと、年会費や月謝を払い、グローブやバット、ユニフォームなどの購入とかなりのお金がかかっています。遠征だのなんだのと言い出したら、ご両親の心労たるや、というところです。

なぜリトルに参加しているのか。それは、その子どもが野球をしたいから、野球がうまくなりたいから。なかには「プロになりたい」と思っている子どももいるでしょう。その想いを汲み、親御さんはその子をバックアップしているに違いありません。

にもかかわらず、“ミスをする”というその子がより良い選手になるための機会を、怒鳴るだけで済ましているコーチが数多いるのです。僕が親で、その練習模様を目の当たりにしたら、すぐさまチームを変えさせます。子どもがはつらつとスポーツを楽しめないクラブなど願い下げです。

■日本スポーツ界の悪しき伝統

野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、テニス、卓球……競技はなんでもいいんです、スポーツの本質は“楽しむこと”。もちろん楽しむためには練習をしてさまざまな技術を身につける必要があります。それを本番で披露する楽しみこそが、スポーツの醍醐味。

しかし、日本におけるスポーツ界の底辺では、まるで何かの訓練のような様相を呈しているのが実情。そして、日本スポーツ界の悪しき伝統でもある「補欠制度」もまた然り。大変な練習をしてきても実戦で表現する場を与えられないというのは、“悪”というほかありません。

剣道や柔道、そして花道、茶道など、日本人は常に“道”を求め、より高い頂を追求せんとする民族性を持っています。それは大いに賞賛されるべきことですし、その献身的な姿勢は世界でも評価されています。

競技は違えど、スポーツにそのスタンスを持ち込むこと自体は間違いではないのですが、スポーツの本質まで見誤ったらNG。フィジカルとメンタル、両方が良いバランスのもと体を育み、競技を楽しむことがスポーツの醍醐味。ミスを怒鳴られて良いプレーができれば、プロの選手だって誰も苦労しません。

2020年、我が国は世界最大級のスポーツの祭典、五輪を開催します。開催自体は喜ばしいことですし(国民が望んだ開催かどうかは疑わしいですが)、これによって日常にスポーツを感じ、スポーツに親しむ日常を得ることができるでしょう。

だからこそ、スポーツに取り組む姿勢を理解せねばなりません。そう、日本サッカー協会が提唱しているように、「スポーツで、もっと、幸せな国へ。」となっていくためには。




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