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【山本幡男没後70年】 平和祈念展示資料館

2024年08月25日 | 戦中/戦後史



 平和祈念展示資料館



 「平和記念展示資料館」は、新宿住友ビル33階にある戦争・引揚げ・戦後強制抑留に関する入館無料の資料館で、2000年11月に開設。

 ホームページにある「バーチャル資料館」では、グーグマップのストリートビュー風に館内を巡回できます。

 今日は、映画『ラーゲリより愛を込めて』の主人公である山本幡男の命日で没後70年ということで、館内の展示品について簡単に紹介します――。


 


 兵士



 「兵士コーナー」では、軍服や軍隊手帳をはじめ、日誌、郵便物、弾除けのお守りなど、軍での生活の様子がわかる実物展示となっています。






 海外からの引揚げ



 「海外からの引揚げコーナー」では、引揚船の模型や引揚げ証明書、引揚げ時の子供たちの様子を撮影した写真などが展示されています。





 終戦後、日本への引揚者は約320万人にも及びましたが、終戦の混乱による心労と疲弊で、20万人あまりの人々が引揚げの途中で命を落としました。

 こちらのコーナーでは、引揚船の中の様子を実寸大で再現した体感展示もあります。



[参考] 満州からの引揚げ「遥かなる紅い夕日」の無料デジタルブックはこちら



 戦後強制抑留



 「戦後強制抑留コーナー」では、森林伐採時に使ったノコギリや着ていた上着、抑留者自ら作ったスプーンなどが展示されています。

 シベリアの強制収容所「ラーゲリ」を精巧に再現した模型もあります。

      



 実寸大で当時の様子を再現したジオラマもリアリティがあり、シベリアに抑留された兵士たちの底なしの絶望感を体感できます。



[参考] 戦後強制抑留「シベリアからの手紙」の無料デジタルブックはこちら




・平和記念展示資料館
 東京都新宿区西新宿2丁目6−1 新宿住友ビル33階
 ※都営大江戸線「都庁前駅」A2出口より徒歩2分




 編集後期



 終戦後、約57万5千人もの軍人軍属および民間の日本人が、シベリアや中央アジアなどで奴隷的な強制労働を強いられ、約5万5千人が命を落としました。

 1日の配給がパン1個とスープ1皿のみという食生活で栄養失調に陥り、マイナス50度にもなる極寒で劣悪な環境下で疲弊したのが主因です。

 帰国が始まったのは、終戦から1年4カ月後の1946年12月からで、日ソが国交を回復する1956年末まで帰国できない人もいたというのは驚きです。


    
    [出典] 「人間馬橇(ばそり)」(画・勇崎作衛)



【ラーゲリより愛を込めて】

 先日、終戦記念日を迎えたということで『ラーゲリより愛を込めて』を観てみました。

 冒頭から中盤ぐらいまで救いの無い絶望的なシーンが続くので、鑑賞し続けるのに精神力が必要でした。(ある意味で、強制抑留の疑似体験)

 ただ、ラストシーンでは泣ける良作でした。





 『あの花の咲く丘で、君とまた出会えたら。』は号泣系ですが、『ラーゲリより愛を込めて』はじんわり系といえます。
 
 最初フィクションだと思っていたので、鑑賞後に実話だったことを知って驚きでした。

 平和の有難さや尊さを忘れないためにも、終戦後の日本人を襲ったシベリア抑留という悲劇を忘れないようにしないといけないと認識を新たにしましたーー。




【出典】「平和祈念展示資料館」「舞鶴引揚記念館

 

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