戦中・戦後のくらし「昭和館」
東京・九段下にある戦中、戦後の生活を中心とした資料を展示している国立の博物館。7・6階の常設展以外は入場無料。
1999年3月27日に開館し、今年で開館25周年を迎えた昭和館には、延べ約3000人の方々から寄贈された6万点の資料が収蔵されています。
7階・6階 / 常設展示室
7階と6階は常設展示室になっており、日本国民が経験した戦前・戦中・戦後の生活上の労苦を次世代に伝えるための実物展示を行っています。
受付は7階で、常設展の入場料は、大人400円、高校・大学生200円、小・中学生は無料。
7階は、戦争が激しくなる少し前の1935年から1945年8月15日までの戦中の暮らしの紹介。
6階では、1945年の終戦から1955年頃までの復興に向けた暮らしの移り変わりを伝える資料を紹介しています。
5階 / 映像・音響室
映像・音響室では、戦中・戦後の人々の暮らしを主とした記録写真や映像、音声など、様々な資料をタッチパネルから呼び出して視聴できます。
4階 / 図書室
図書室では、戦中・戦後の国民生活を中心とした文献・資料を自由に閲覧できます。
3階 / 特別企画展会場
毎年夏に、3階の特別企画展会場で入場無料の企画展が開催されています。
今年は「慰問 ~銃後からのおくりもの~」と題して、戦地へ送られた手紙や物品、慰問団の活動など、戦中の慰問についての実物展示による紹介。
展示されている資料の一部はこちら。
2階 / 昭和館2階ひろば
昭和館の2階にある吹き抜けの広場において、戦後75年特別企画写真展「写真家たちが見つめた戦前・戦中」が開催中。
日本写真家協会が撮影した戦前・戦中の報道写真の中から、40点が展示されています。
・昭和館
東京都千代田区九段南1丁目6−1
※地下鉄「九段下駅」4番出口より徒歩0分
編集後期
「慰問~銃後からのおくりもの~」は、全て当時モノの実物が展示されているので、戦時中の生活感や時代の空気を感じることができます。
『あの花が咲く丘で、また君と出会えたら。』の千代ちゃんが作った人形を彷彿とさせる慰問人形の展示もあり、アマプラで観たばかりだったのでタイムリーでした。
『あの花』と同じく、戦地の兵士へのプレゼント用に自分をかたどって作ったもので、あのエピソードはこの慰問人形が元になっているのかもしれません。
戦地の兵士と市民の間に交流があったことも初めて知って、ちょっと目からウロコでした。
「写真家たちが見つめた戦前・戦中」で、金属供出令によって市民から集めた自転車が山積みになっている写真も結構衝撃でした。
「国家総動員法」や「国民精神総動員運動」、「国民徴用令」など、過度に抑圧された全体主義によって、生活や人生を国に支配され、自由を奪われた時代がありました。
再びそのような軍事的全体主義の時代に逆戻りしないように、日頃から反戦意識を醸成し続けることが大切なのかもしれません――。
【出典】「昭和館」