保護司を始めて3年となる阿川佳代(有村架純)は、この仕事にやりがいを感じ、さまざまな前科者のために奔走する日々を送っていた。彼女が担当する物静かな前科者の工藤誠(森田剛)は順調な更生生活を送り、佳代も誠が社会人として自立する日を楽しみにしていた。その頃、連続殺人事件が発生する。誠は忽然と姿を消し、ふたたび警察に追われる身となってしまう。
捜査が進むにつれ佳代の過去や、彼女が保護司という仕事を選んだ理由が次第に明らかになっていく。
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WOWOWで先んじて放送された連続ドラマ「前科者」をとても面白く、と言ってはなんだけど、とても興味深く全6話視聴して、映画版もとても楽しみにしていた。
けど、結局映画館に見に行くことは叶わず、Amazon Primeで配信が始まったのでアマプラで視聴した。
ちょうど昨夜見たのだけど・・・ 昨今の襲撃事件の犯人に思いを巡らす結果となった。
工藤誠(森田剛)と工藤実(若葉竜也)。幸せだった幼い日はあっという間にもろく崩れ、周囲の大人たちの身勝手と怠惰と暴力によって人生が狂わされる。
「子どもが先に悪くなる世の中はない」
いつも思い出されるドラマ「Team」の中のセリフ。どこか、一つでも何かが違っていれば、この人生にはならなかった。誰か一人でも手を差し伸べれば 失われる命はなかったかもしれない。
奈良県で起きた事件についても、これはテロとか言論の封殺とか、民主主義の根幹を揺るがす暴挙、などよりも 世間に、大人たちに、自分を顧みなかった母親への苦しみ・憎しみが今、暴発した、事件・通り魔・逆恨みで起きてしまったような気がする・・・。
阿川佳代には忘れたくて忘れたくて、でもどうしても忘れられない過去があった。
中学時代、初恋相手の真司(磯村勇斗)の父親が、自分を守るために暴漢に襲われ死亡した。その暴漢を佳代は知っていた。いつも公園で、身の置き場がないように孤独に過ごしていた男だった。
真司に謝ることも、寄り添うことも、真司の父に手を合わせることもできず 佳代はその地を去る。
そして、1周回って、佳代は保護司になる決意をする。
一つでも事件を減らすため。一つでも生きるべき命を失わせないために。 真司は刑事になり、佳代は保護司になり、連続殺人事件を通して二人は再会する。
人の再生を信じることができるのか、前科者に心から寄り添うことはできるのか、人は本当に更生できるのか。
そんな重い思いを投げかけながら物語は進み、静かに終わっていく。
どうしようもないこの世の中、今回の選挙では何も変わらなかった。
弱者はますます生きる場所を失い、こんな事件が増えるかもしれない。子どもが生きやすい世の中にしなければ、5年後、10年後、15年後に かつて、蔑まされた、虐げられた、傷つけられた子どもたちがモンスターになり何度も、何度も世の中を震撼させ、いずれ、誰も驚かなくなるかもしれない。
子どもが先に悪くなる世の中はない。
だからこそ、大人が大人として子どもを守っていかなきゃならないんだ。