「燃」別館

限定メール、コレクションの公開

上月さんインタビュー

2009-07-23 14:37:23 | 限定メール
以下の文章は、私が以前作った冊子「4Kワールド」の一部です。
☆            ☆
━ドキュメント『新選組血風録』上映会━━

~吉岡、上月さん、ファンとの歓談記

 宿明けの朝、仕事が終わったのは10時過ぎ、京橋発10時32分、さぁ上映会に出発だ。
 丸太町着11時半頃、開場まで、約1時間半、会館内のレストランここで、昼食を取ることに
しよう。注文をする。
 
 おぉ吉岡さんがはいってきた。
「失礼ですが、吉岡さんですか。」
「はい、そうです。」
「お話し、していいですか。」
「3日前の新『新選組血風録』どうですか」
「だめですな。上月さんが、むちゃくちゃ、東映に文句いってきたそうです。」
「私、録画とりだめして、ゆっくり鑑賞しょうと思います。」
「だめ、だめな物はだめだと思いますけど。司馬原作と、いわずに、単なる「新選組」
ならがまんしますけど、『徳川慶喜』の勝野洋さんの方がまだいい 
栗塚さんは、もう少しみようとおっしゃています。」
「私、すごい作品みたんです。栗塚さん、今再放送中の『斬り捨て御免』にでていたんです。
番組のあとのスタッフなんと、結束信二脚色、渡辺岳夫音楽ですよ。
翌日続きをみると、悪老中の役でころされるんです。制作は東映(間違い松竹だった)と東京12チャンネルなんです。」
「いつごろの作品なんでしょうか。」
「確か昭和55年頃みたいですよ。ところで、私4Kワールドを作っているんです。」
以下そのいわれについて説明する。
「『燃えよ剣』の時は、上月さんは局の幹部になっていたんです。」
「後ろから、応援していたんでしょう。だから4Kワールドでいいでしょう。『われら9人の戦鬼』
は4Kにはいると思いますか。同人の方は、誰もおぼえていないんです」
「多分、はいらないでしょう。時代設定もちがいますし。」
 続々、スタッフがレストランにはいってくる。年輩の方がはいってくる。
「吉岡さん、こちらは上月さんですか」
 私、上月さんに話しかける。心よく、うけてくださった。そして4Kの事を話す。非常に
うれしそうな笑顔、改めて、用心棒のいわれを説明してくださった。
「東映は、『俺は用心棒2部』、『帰ってきた用心棒』もだしますよ。」
「家が、栗塚さんのビデオで一杯になります、困ります」
「まあ買ってください。『新選組血風録』は4万本、『燃えよ剣』は3万本売れています。」
「このドラマで、脚色家の事を興味を持ちはじめ、そして音楽家、そして、失礼ですが、プロジュー
サの方にも興味が‥‥。」
「そうですか、ドラマというのは、最初の部分で、登場人物の性格設定を視聴者にわからせなくては
いけないんです。」
「そういえば、用心棒で左右田さんの出るシーンにきまった音楽がありました。」
「そういう意味で、新『新選組血風録』は駄目です。 
「田村嘉さんて、どんな方です。」
「私より少し年上です、しかし亡くなっています。私はこの一連のドラマのスタッフの最後のひとり
として、みなさんの声援に答えたいと思います。」
「『燃えよ剣』で、原田が、鳥羽・伏見前に女とあってよかったと思ったら、最後の1分くらいで、
流れ弾で死ぬシーンがありました、薄情と思いました。」
「あぁそんなシーンがありましたね。よく似た終わり方のシーンに対して、視聴者から、反響があり
まして、怒りの言葉で『もう2度とみてやらないぞ。』と電話がかかってくるんです(笑)。
また次の回でハッピエンドのシーンにたいして『よかった。』です。
「この頃わかったでんですが、こんなシーンこそすばらしいと思うようになりました
人生いいこと、悪いことのくりかえしなんだ。そしてこれこそ、このドラマのメッセッジーなんではないかと。」
「そうです。」
「そして、そうだからこそ、人生精一杯に生きようということなんでは。」
笑いながら、同意の表情。
『斬り捨て御免』の事をはなすと
「へぇそんな作品がありましたか。」
「栗塚さんは覚えているでしょうか。」
「多分覚えていないでしょう(笑)。」
笑いながら、些細な話にも、気持ちよく応じてくださる。こちらの質問に丁寧に答えてくださる。
 
 最近私、4Kのファンはアンハッピーの場面を多くみるがために、人に対して、やさしくなれるの
ではないか、そして今日上月さんにお会いして、この事は制作者の上月さんの人柄の反映かもしれな
いと思った。
 時間を忘れて、話がつづいた。
 上月さんの隣の女性も私の話をきいて、あいづちをうってくださっていた。
 時計をみると、私これ以上、上月さんの貴重な時間を使っての会話で、悪いと思いはなれた。

 会場にもどる。東映さんがんばってビデオを並べている。ふたりのおじさん、ビデオをみていろ
いろいっている。また私割り込む。
「新『新選組血風録』はだめだろう。」
「そうです。しかし渡ファンがみたら、いいかもしれないですよ。」
「しかし新選組ドラマはこれだよ。」
「いえ、このドラマは新選組ドラマじゃなく、ドラマとして一級品なんです」
「そうか、これは、ドラマの一級品か、本当だ。」
「そして、この作品は、みんな主人公なんです。」
 私の言葉にいちいちうなずく、人でした、なんとこの人、昭和24年生まれ(私より3年上)で、
いちいち握手をうれしそうに求めてくる。
「俺は、『新選組血風録』は、リアルタイムでみているんだ。(さも誇らしげ、私がリアル タイムで見て
いないといったので)」
「ところで、全部買いましたか。」
「いや全部買っていない。しかし、1月に1本づつ買ってゆっくり楽しむんだ。
そして、この先輩(昭和20年生まれ)に貸してやるのさ。」
「全部持っている。これは勝った(笑)。まあ、1本づつ楽しみますか(笑)。」
「先輩は、他のドラマにもいいのがあるから、他をみろというが、
了見狭いけど、この作品よりいいのがあるとおもへんワ、俺たち。」
と笑って反論する。興奮して、映写席に着く。私は2人の間にすわる。

 1本目が、終わり、休憩時間3人でワイワイやっていると、突然別の男の人が仲間にはいってくる。
彼は(昭和29年生まれ『新選組血風録』)をリアルタイムでみたという。そして今全部もってい
るという。これは、後の楽しみだと胸おどる。

 2本をみたあと、ゲストの出演。30分休憩のゲストタイムである。
 上月さん、ファンの連帯感について、うれしそうに語る。時間を気にしながら、なんでもしゃべり
たい様子。ゲストは『新選組血風録』「誠の旗」の伊吹友木子さん。会場に入る前に24年生まれの
お兄さん、伊吹さんにきずいていたそうだ。私は全然わからなかった。
 伊吹さん語る。
「『土曜ワイド』に最近出演して、TVで上映の翌日、銀行のATMをしていると、後ろから、TV
みましたの声。うれしかったです。近く『大岡越前』にでますけど、タイトルがわかりません。
しかし老夫婦の役ですけど、みてください。」

 栗塚さん語る
「私は、『暴れん坊将軍』の出番が終わりになりましたが、『水戸黄門』には、最初の回にでますから、
みてくださいね(笑)。」
 上月さん再び、なんでも質問に答えます。と云うが、質問なし。
 上月さん新『新選組血風録』をやんわり批判。吉岡さん、新『新選組血風録』批判を高らかに宣言。
大拍手。最後アンケートに書いてくださいとなって休憩終了。

 上映会終了後私3人にお茶を誘うが、二人のお兄さんには断られるが、握手して別れる。私より、
若い人は、バイクできているという。それで、会館のレストランにはいる。
「『新選組血風録』は本放送からですけど、再放送して、ちゃんとわかる年代になってもよかったん
です。上映会歴は長いんです。」
「4K書いてくれません?」
「私文章は苦手なんです。」
「用心棒シリーズ全部買います?」
「絶対買うつもりです。」
「身の回りにファンはいないの?」
「いないんです。それでくるんですよ。」
 野球みたさにパーフェクトテレビにはいっているとの事
 時代劇チャンネルにきずいたの事。
 鶴田浩二さんの『新選組』はもっていないとの事。
 新『新選組血風録』は最初から、みていない。
 私は4Kビデオとラジオドラマ「幕末新選組」『俺は用心棒』の第1部の音声版を送る約束をして
 別れた。
 この方も終始にこやか、みんな上映会に来て4Kの話をすると、みんなうれしそう。

 今日の会話全部収録できなかったが、あと箇条書きふうに書いてみる。
 吉岡さん、上映会の形式変えても、この集まり、続ける決意表明。
なんと『新選組血風録』と『燃えよ剣』のサントラCDがでる。
この上映会のスタッフ来る物拒まず、去る人追わずの精神とか。この会、誰かに話し
 かけないと、値打ちがないような気がする。  

 今日、(10月12日)ある新聞記事が目にとまる。
 マスコミは暗い記事の取材に労力をそそぎ過ぎる、明るい話をみつける努力をしてほしいものだ。
そうだ、この上映会に参加している方は、ほとんど、悲しい内容のドラマなのに、懸命に明るさを求
めて、見知らぬ、隣のファンと会話する人ばかりなのだ。



コメントを投稿