雪の塊はありますが、春の陽気を感じなくもない今日この頃。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
姪っ子(もうすぐ3歳)も妹(34歳)も帰っていきました。
しばし姪っ子&妹ロスです。
また会えるんだけどさ。
最近は
週末期の患者さんとの関わり(と言っても私たちの関わりなんてごく一部ですよ)があって、色々考えます。
すごく自分の思いが反映されてしまうのですが…なるべくそうならないように、中心が誰なのか、思いとどまることの大事さを感じます。
そこに派生して「なんでさー!」と腹が立ったり、「やっちまったな」と落ち込んだり。
Aさんは81歳の男性で、全ての治療に拒否です。頼れる身内は奥さんだけ。食欲低下が著明で、ほとんど飲まず食わずで脱水になり、血尿もあり、入院しました。入院後は点滴も検査も拒否。薬も胃薬以外は服薬拒否し、奥さんと喧嘩する状態。「治療はしない。自宅に帰る」とのことでまた自宅へ戻りましたが今度は吐血、下血による急激な貧血。輸血しないと数日で状態はぐっと悪くなる、と説明を受けますがやっぱり「入院はイヤ。自宅で死んでいい。」と治療拒否でした。
奥さんも高齢です。私たちは入院や治療を勧めましたが、本人と奥さんの決意が固く、自宅看取りの方針となりました。
どう思いますか。
2人の理解度や認知度はどうなのか。
自分たちの説明、話し方や時間なども十分だったのか。
奥さんはAさんが心配ではないのか。
モヒはそう思っていました。
往診の後、奥さんがポソポソと2人の出会いとAさんへの思いについてお話してくれました。
Aさんは若い頃から、病気の親の介護を長年してきたこと、68歳まで奥さんと離れて東京で働いて送金していたこと、体調を崩し倒れるまで誰にも打ち明けずに働いたこと、それも奥さんの生活を心配していたんだろうこと。離れて暮らす間、奥さんも自分の親の介護をしながらパートで仕事をしていたそうです。Aさんは介護する奥さんになにも言わず1人で東京で頑張ってくれた。
「ずっと我慢してきたんだ。だから今本人が家にいたいと言うならそれでいい。したくないこともやらなくていい。もう頑張らなくていい。」
と奥さん。
Aさんと奥さんの生き方、夫婦の物語を聞いて、はじめてコレでいいんだな、と思ったのでした。
この2人のことを全て理解できたとは思いませんが、傾聴することの大事さを知ってるつもりで全然できていないことや、モヒがそこにモヤモヤしていたことを改めて知ることになりました。
もしかして奥さんがモヒたちの不安を感じ取って話してくれたのかも(自意識過剰か)。
Aさんと奥さん、多分長くないうちにしばしのお別れをすることになる。だから悔いのない時間を、彼らが納得する形で過ごしていけるよう支えるのが私たちのつとめ、なんだろうな。
…どうなんだろう。そうなの?
また揺れるかもしれませんが
そこも柔軟に受け止めていくこと、
パターン化したり白黒つけることにこだわらないこと(陥りがち)、
色んな形があっていいんだということ。
揺れていいということ。
という話でした。
4月は在宅医学会に行きます。
演題発表(ポスターセッション)の準備にも追われています。
以上
姪っ子(もうすぐ3歳)も妹(34歳)も帰っていきました。
しばし姪っ子&妹ロスです。
また会えるんだけどさ。
最近は
週末期の患者さんとの関わり(と言っても私たちの関わりなんてごく一部ですよ)があって、色々考えます。
すごく自分の思いが反映されてしまうのですが…なるべくそうならないように、中心が誰なのか、思いとどまることの大事さを感じます。
そこに派生して「なんでさー!」と腹が立ったり、「やっちまったな」と落ち込んだり。
Aさんは81歳の男性で、全ての治療に拒否です。頼れる身内は奥さんだけ。食欲低下が著明で、ほとんど飲まず食わずで脱水になり、血尿もあり、入院しました。入院後は点滴も検査も拒否。薬も胃薬以外は服薬拒否し、奥さんと喧嘩する状態。「治療はしない。自宅に帰る」とのことでまた自宅へ戻りましたが今度は吐血、下血による急激な貧血。輸血しないと数日で状態はぐっと悪くなる、と説明を受けますがやっぱり「入院はイヤ。自宅で死んでいい。」と治療拒否でした。
奥さんも高齢です。私たちは入院や治療を勧めましたが、本人と奥さんの決意が固く、自宅看取りの方針となりました。
どう思いますか。
2人の理解度や認知度はどうなのか。
自分たちの説明、話し方や時間なども十分だったのか。
奥さんはAさんが心配ではないのか。
モヒはそう思っていました。
往診の後、奥さんがポソポソと2人の出会いとAさんへの思いについてお話してくれました。
Aさんは若い頃から、病気の親の介護を長年してきたこと、68歳まで奥さんと離れて東京で働いて送金していたこと、体調を崩し倒れるまで誰にも打ち明けずに働いたこと、それも奥さんの生活を心配していたんだろうこと。離れて暮らす間、奥さんも自分の親の介護をしながらパートで仕事をしていたそうです。Aさんは介護する奥さんになにも言わず1人で東京で頑張ってくれた。
「ずっと我慢してきたんだ。だから今本人が家にいたいと言うならそれでいい。したくないこともやらなくていい。もう頑張らなくていい。」
と奥さん。
Aさんと奥さんの生き方、夫婦の物語を聞いて、はじめてコレでいいんだな、と思ったのでした。
この2人のことを全て理解できたとは思いませんが、傾聴することの大事さを知ってるつもりで全然できていないことや、モヒがそこにモヤモヤしていたことを改めて知ることになりました。
もしかして奥さんがモヒたちの不安を感じ取って話してくれたのかも(自意識過剰か)。
Aさんと奥さん、多分長くないうちにしばしのお別れをすることになる。だから悔いのない時間を、彼らが納得する形で過ごしていけるよう支えるのが私たちのつとめ、なんだろうな。
…どうなんだろう。そうなの?
また揺れるかもしれませんが
そこも柔軟に受け止めていくこと、
パターン化したり白黒つけることにこだわらないこと(陥りがち)、
色んな形があっていいんだということ。
揺れていいということ。
という話でした。
4月は在宅医学会に行きます。
演題発表(ポスターセッション)の準備にも追われています。
以上