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●韓国での戒厳令下の「抗命権」の行使について!

2024-12-16 10:50:59 | 日記

 

照明器具、群衆、テキストの画像のようです

――この間の韓国の戒厳令下で重要だったのは、韓国軍の将兵が最高指揮官である尹大統領ー国防大臣の命令を、あらゆる方法で拒んだことだ。

本来、首都戒厳令であれば、数個師団の兵力が動員されかねないが、動員されたのは多く見積もって数百人だ。しかも、国会に出動した特殊部隊には、実弾どころか空砲も持たせないなどの状況だった言われる。

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この根源にあるのは、光州事件への軍部の深い反省、つまり、戒厳令に基づく市民・国民の治安弾圧への反省があったと言われる。国民に銃口を向ける軍は「国軍」とはいえない、単なる政権の道具でしかない、ということだ。

そして、重要なのがこういう韓国軍の歴史を通して作られてきたのが、「抗命権」の事実上の行使があったと言える。

「抗命権」とは、軍隊の中での「上官の違法命令への拒否権」であり、東京国際裁判などで確立してきた「兵士の権利」だ。

これについては、ドイツなどでは確立しているが、自衛隊などでは、曖昧にされたばかりか、最近では、隊内では、「命令への絶対服従」を徹底的に教育するだけである。

しかし、リンク先の資料をみれば分かるように、自衛隊でも1970年までの部内では、「違法命令の拒否」は、「法律的」には確認されていたのである(『陸幕法令解説』)。

 この間の韓国軍の状況は、まさしく事実上の抗命権の行使により、国家自体が救われたのではないか。兵士たちの事実上の抗命権行使が、流血の事態を回避させたのだ。

まさしく、「兵士の抗命権」という古くて新しい課題を、私たちも今こそ再認識し、自衛隊内に確立するときがきているのではないか! 

今、自衛隊は南西シフト下で、急ピッチで対中国の戦争態勢づくりに突進している。このような中、抗命権の確立は、決定的意義を持つことにだろう。

●参考資料 

「投稿「兵士にも良心に従う権利があれば」)――朝日新聞「オピニオン&フォーラム」の河村正義さんの投稿に答えます!

https://note.com/makoto03/n/n3887ab913833

「50年前の1972年4月27日・28日、自衛隊の「沖縄派兵」等中止を求めて現役自衛官が決起した!」

https://note.com/makoto03/n/nac85797e2044

・『マルクス主義軍事論第1巻 (1983年・小西誠著)』、第11章「韓国・光州蜂起の教訓」

・『現代革命と軍隊―世界革命運動史の血の教訓・第2巻』 (1984年・小西誠著)

https://www.amazon.co.jp/%E3.../dp/B0C7T5FYX2/ref=sr_1_1...

 

 


日米の南西シフトと「台湾海峡」有事

2024-10-04 00:57:21 | 日記

 

日米の南西シフトと「台湾海峡」有事

https://youtu.be/VYM2bn5o5b0

 


京都・祝園、ネット大学習集会(小西誠作成のパワーポイントのレジュメを公開)

2024-08-27 13:43:34 | 日記

自衛隊は、京都の学園都市・精華町に、ミサイル弾薬庫8棟新設などを決定。

この弾薬庫は、なんと陸自・海自の共同運用というものだ(海自舞鶴基地・イージス艦2隻にトマホーク搭載)。

祝園分屯地・弾薬庫の面積は、約470㏊東京ドーム約100個分に相当(宮古島・保良弾薬庫20㏊、奄美大島・瀬戸内弾薬庫31㏊)。

戦時中は旧陸軍の弾薬庫として使われ、「東洋一の弾薬庫」とも呼ばれた。

この状況に対し、地元の祝園町を始めとして、今住民たちが起ち上がろうとしている!

この動画は、その住民のたたかいの一環として8/25に行われた大学習会(講師・小西誠)の記録である。

ここに広く公開し、防衛省・自衛隊の、対中国戦争態勢づくりの一環としての、全国的弾薬庫建設の状況、そして、その背景に

ある日米軍隊の南西シフトの実態を暴露する!

詳細はYouTubeでご覧ください。

https://youtu.be/oIfRFgxgBzY


●電子ブック『最新データ&情報2024 日米の南西シフト』の発行続き、本日、オンデマンド版(ペーパーバック)発売

2024-03-17 15:24:12 | 政治・軍事

電子ブック『最新データ&情報2024 日米の南西シフト』の発行続き、本日、オンデマンド版(ペーパーバック)で同書を発売します。

全編カラー印刷、333頁(本体3200円)で、Amazonからの発売となります(Amazonに最低価格限度があるためにこの価格になっています)。

Amazonのオンデマンド版は、ご注文に対応して1冊ずつ印刷され、関東圏では、翌々日ぐらいのと到着になります。ぜひ購読をお願いします。

電子ブック版も発売中!

――2022年12月、政府の「国家安全保障戦略」策定などで、琉球列島での対中国のミサイル攻撃基地化が、急ピッチで進みつつある。

 今年3月には、琉球列島ミサイル基地化の「第1段階の仕上げ」とも言える、第7地対艦ミサイル連隊が沖縄・勝連分屯地に新編され、24年度内には大分・湯布院駐屯地に、長射程(1500キロ)の第8ミサイル連隊の新編が決定、また25年には「先制攻撃能力」をもつトマホーク部隊の先行配備が決定ー。

 こうした中、先日の2/4付共同通信報道では、昨年の日米共同演習「キーン・エッジ」において、ついに「仮想敵国」を初めて「中国」と明示する演習が行われ、この想定の「台湾有事」に関する作戦計画が完成しつつあるという(仮想敵国の明示は、中国政府への軍事的対抗宣言)。

 こうして今や、日米政府の中国との戦争態勢が急ピッチで作りだされつつある。この戦争の目的は何か? 

 これは、22/10の米国「国家防衛戦略」(NDS)が明示している。それは米国の新冷戦戦略(「中国は最も重要な戦略的競争相手」)であり、この政治目標は、米国にとって替わろうとする中国のアジア・太平洋での覇権の阻止=中国共産党政権の瓦解であり、軍事目標は、そのための「中国海軍の壊滅」(海洋限定戦争)である。

 この歴史的リアリティは、旧ソ連を軍拡競争で崩壊・分裂させた、アメリカの冷戦戦略で明らかである。

 本書は現在、中国との戦争態勢の最前線になりつつある、琉球列島とそのミサイル基地化の現状を中心に、日米の南西シフトのその戦略と実態、進行しつつある最新データを、多数の写真・図表などで提示する。

【目次】
はじめに

第1章 国家安全保障・防衛戦略による対中国戦争態勢
第2章 要塞化する与那国島への新配備部隊
第3章 日米共同作戦が進行する石垣島
第4章 チョーク・ポイント宮古島の軍事化
第5章 南西シフトの兵站拠点・奄美大島
第6章 南西シフト下の訓練・機動展開基地―馬毛島・種子島
第7章 南西シフトの実戦大演習場と化す薩南諸島
第8章 沖縄島への第7ミサイル連隊・師団新編
第9章 地対艦・地対空ミサイルの危険性
第10章 地対艦・地対空ミサイルの作戦・運用
第11章 「無用の長物」と化した水陸機動団
第12章 南西シフトによる自衛隊兵力の配置
第13章 陸自の南西シフト態勢
第14章 北方シフトから南西シフトへ
第15章 アメリカの対中国戦略
第16章 米軍の琉球列島―九州への中距離ミサイル配備
第17章 米海兵隊・陸軍の第1列島線配備
第18章 アメリカの国家防衛戦略と中国、ロシア
第19章 日本の「インド太平洋戦略」と中国
第20章 日米シンクタンクの「台湾有事」シナリオ
第21章 「台湾有事」下の国民保護と住民避難
第22章 有事態勢に突入する自衛隊員の危機
補 章 恐るべき「島嶼戦争演習場」となった徳之島・沖永良部島
結  語 岸田政権は中国・DPRK(北朝鮮)との平和外交を行え

https://www.amazon.co.jp/s?k=%E6%9C%80%E6%96%B0%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%26%E6%83%85%E5%A0%B12024+%E6%97%A5%E7%B1%B3%E3%81%AE%E5%8D%97%E8%A5%BF%E3%82%B7%E3%83%95%E3%83%88&i=stripbooks&__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=39YI9DZVET34M&fbclid=IwAR0Bt54Ncna2_OrlqF22JaJYwzCDKc5QJI59V7J8om9w38NIAQ_JkRK9Sfw&sprefix=%E6%9C%80%E6%96%B0%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%26%E6%83%85%E5%A0%B12024+%E6%97%A5%E7%B1%B3%E3%81%AE%E5%8D%97%E8%A5%BF%E3%82%B7%E3%83%95%E3%83%88%2Cstripbooks%2C215&ref=nb_sb_noss_1

 
 
 
 

私は現地取材を重視し、この間、与那国島から石垣島・宮古島・沖縄島・奄美大島・種子島ー南西諸島の島々を駆け巡っています。この現地取材にぜひご協力をお


ウクライナ戦争ー「台湾有事」をめぐる、米国のNATO戦略と対中国戦略一体性

2022-08-16 08:38:11 | 日記

*「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」(メルマガ第48号)に投稿しました。

・ウクライナ戦争ー「台湾有事」をめぐる、米国のNATO戦略と対中国戦略一体性を分析しました。ご参考に!

 

●米国の2022年「国家防衛戦略(NDS)」

ウクライナ戦争開戦のおよそ1カ月後の2022年3月30日、米国国防総省の2022年「国家防衛戦略(NDS)」が、バイデン政権初の安全保障戦略として策定、発表された。この国防戦略は、全文は公開されていないが驚いたことに、米国(欧州)が対ロ戦争下にありながら、ロシアではなく中国を「最重要の戦略的競争相手」と位置づけ、「中国最優先」を明記していることだ。


具体的には、「ロシアは深刻な脅威」だが、「インド太平洋地域における中国を優先し、次いで欧州におけるロシアをあげた」と報じられている(3月30日付朝日新聞)。
米国の「国家防衛戦略(NDS)」は、全文は非公開だが、QDR(4年ごとの国防戦略の見直し)に替わるものとして、要約のみが公表されている。

今回発表された米国の「国家防衛戦略(NDS)」は、トランプ政権下の「国家安全保障戦略(NSS)」( 2017年12月)、そして、国防総省の「国家防衛戦略(NDS)」(2018年1月)を踏襲したものである。つまり、トランプ政権からバイデン政権に移行しても、米国の世界戦略――新冷戦戦略は、全く変更されていないということだ。

2018年米国防総省の「国家防衛戦略」の発表後、2019年6月に公表された「インド太平洋戦略報告」(シンガポールで発表)もまた、この対中重視の戦略を鮮明かつ具体的に提示している。ここでは、特に「米中衝突に備え、日米同盟をはじめ同盟国・友好国との重層的ネットワークを構築する、中国と対抗する上で台湾の軍事力強化とその役割を重視」するとし、次の3点をあげている。
① いかなる戦闘にも対応できる米国と同盟国による「統合軍」の編成
② 中国と対抗する上で台湾の軍事力強化とその役割を重視(初めて台湾に言及)
③ 新しい作戦構想として陸軍の多領域任務部隊(MDTF)と海軍・海兵隊の「遠征前方基地作戦(EABO)」の任務

 こうして、米国のアジア太平洋戦略は、「AUKUS」「Quad」など、オーストラリア、イギリス、日本(インド)を含む対中包囲網づくり、つまり、アジア版NATO態勢づくりへと急ピッチで進行しているが、その隠されたもう一つの重要な態勢が、上に見てきた台湾の軍事態勢への組み込みだ。

このような一連の動きの中に、2022年1月7日においての日米安全保障協議委員会(2+2)の「台湾有事」の「日米共同作戦計画」の策定があるのだが、これは後述する。
ここでは、とりわけ米国の「新冷戦」下で進行する、「太平洋抑止イニシアティブ(PDI)」と「欧州抑止イニシアティブ(EDI)」について見てみよう。

●「太平洋抑止イニシアティブ(PDI)」と「欧州抑止イニシアティブ(EDI)」

米国の「太平洋抑止イニシアティブ(PDI)」とは、2021年会計年度から始まったアジア太平洋への特別軍事予算の発議である。これは国防予算と別枠で発議されており、2021年会計年度に22億ドル(約2351億円)、22年会計年度に71億ドル(7587億円)、今後6年間で約274億ドル(約3兆円)が計上されている。つまり、米軍の「アジア太平洋重視」戦略下で、その具体的な増強態勢づくりのための、大幅な軍事費増強が確保されたということだ。

この特別軍事予算で予定されているのは、主要には第1列島線への残存性の高い精密打撃網(ミサイルなど)の構築であり、米海兵隊・陸軍へのトマホーク、スタンドオフ・ミサイルの配備であり、そして、中距離ミサイル等を軸にミサイル戦力の強化配備(6年間に33億ドル)であり、さらに、グアム基地の強化(抗湛性を含む44億ドル)等であり、「遠征前方基地作戦(EABO)」による部隊の新編成・増強である。

ところで、このPDIが参考にしたのが、「欧州抑止イニシアティブ(EDI)」である。これもまた、2014年から「対ロ戦略のための特別軍事予算」として、開始から6年で約224億ドル(約2兆4000億円)が計上されている。これらEDIの最大の目的は、近代的軍隊であるロシア軍との戦闘を視野に入れ、重装備部隊の欧州への展開、重装備部隊のための事前集積を重視していることだ。もちろん、このEDIもまた、基本予算とは別立ての海外作戦経費からの資金である。

こうしてみると、米国の2017年「国家安全保障戦略(NSS)」、2018年「国家安全保障戦略(NSS)」以後の、新冷戦態勢による欧州戦略(対ロ戦略)と対中戦略が一貫した共通戦略として策定されていることが分かる。

いみじくも、米国政府の最大のシンクタンク、ランド研究所の提言「ロシアを拡張する――有利な条件での競争」(Extending Russia Competing from Advantageous Ground 2019年)は、ウクライナ戦争の始まるはるか前に以下のように述べている。
「米国は両国(東ウクライナとシリア)でロシアの敵対勢力に限定的な支援を行っており、さらに支援を行う可能性があるため、ロシアのコストを押し上げることになる。このような代理戦争は、決して新しいものではない」

「米国のウクライナに対する安全保障支援が増加すれば、それに比例してロシアの分離主義者への支援やウクライナ国内のロシア軍も増加し、紛争はより高いレベルで維持される可能性が高い。元米国陸軍欧州軍司令官 Ben Hodges 中将は、まさにこの理由からウクライナへのジャベリン対戦車ミサイルの供与に反対している 。あるいは、ロシアは逆にエスカレートし、より多くの軍隊を投入し、ウクライナに深く入り込むかもしれない。ロシアは米国の行動を事前に察知し、米国の追加援助が到着する前にエスカレートする可能性さえある。このようなエスカレーションはロシアを拡大させるかもしれない」
「米国がウクライナのNATO加盟をより積極的に主張すれば、ウクライナの士気と、それを阻止しようとするロシアの決意力が高まり、その結果、ロシアの関与と犠牲がさらに拡大する可能性がある」

つまり、米国の対ロ戦略(ウクライナ戦争)と対中戦略(「台湾有事」)は、新冷戦下の世界戦略として計画され、策定されているということだ。ウクライナ戦争の開戦以来、米国のウクライナへの援助は、約3カ月で総額530億ドル(約6.7兆円)であり、その半分ほどが軍事援助だ。つまり、米国は、アフガン・イラクと異なり、ただの一兵の犠牲もなくロシア弱体化→欧州覇権の確保を成し遂げようとしているのだ。これを今、アジア太平洋でも実現しようとしているといっても過言ではない。

もちろん、このウクライナ戦争は、米国のNATO拡大戦略が背景にあるとはいえ、ロシアが国際法に違反するウクライナ侵攻を行っているという事実は明らかである。このロシアの大ロシア主義ともいえる帝国主義政策には厳しい批判が必要である。そして、この戦争の中、ロシア、ウクライナ双方の民衆、兵士らに膨大な犠牲が生じており、一刻も早い停戦が求められている。

しかし、米国の知識人、ノーム・チョムスキーが言うように、「米国はウクライナ人の最後の一人まで戦わせようとしている」という、この戦争の本質についても、私たちは深く認識しておくべきである。https://www.youtube.com/watch?v=yw5DvUgJlZA

小西誠(軍事ジャーナリスト・ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会オブザーバー)
http://nomore-okinawasen.org/