母の織った縞と絣

母の機織仕事の記録と私の日常

親戚の絣Ⅱ

2012年03月19日 11時00分00秒 | 縞と絣
             
 昨日に引き続き親戚の絣です。
 これも着物だったろうと思います。

 寒い冬
 学校から帰っても
 「おかえり~」の声はありません。
 台所にあるこわ~い梯子階段をのぼり
 機織りをしている母のところへたどりつくのです。
 
 この梯子階段がわりと急勾配で上りきったら壁
 最後の段で壁を見つめたまま体の向きを変えないで
 左へひょいっと移動
 と、これだけのことですが
 幼い私には毎度毎度
 ちょっとした恐怖との対決でありました。

 じゃっかんほころびた足袋の脚は角の棒を交互に踏み
  (母は足袋の愛好者で「温い」と言ってます。)
 横糸をおもちゃのボートのようなものでシャーと滑らせトントン
 
 その横糸の入ったおもちゃのボートみたいなので
 私もシャーがやりたくて
 母の仕事をずいぶん妨害しました。