母の織った縞と絣

母の機織仕事の記録と私の日常

蒲団の思い出

2012年07月14日 17時08分05秒 | 縞と絣
     

  

 私がまだ子どもだった頃

 やはり母の織った布団に寝ていた

 敷布団のほうはシーツのためかよく覚えていない

 掛け布団の地色が黒だったか紺だったか

 白の大きな矢絣の模様だった

 別にそのことを特に何も思わず

 暮らしていた

 


 あれは

 私が中学の時だったか…

 従兄がにやってきて

 なんかのひょうしに私の布団を見て

 

 「○○子の布団もっと女の子らしい可愛いのにしたんないな~~~」
   ↑私の名前

 と 私を哀れみ

 それから私の母に懇願してくれた。

 従兄のと私の

 その当時ともに農家で

 たぶん同じような生活レベルの家庭だったように思う。

 

 従兄の発言に私は嬉しさよりも

 驚いた

 世の中の 農家の 女の子 って

 み~~~~~~んな

 桃色や 橙色 赤の花柄の蒲団を

 かぶっておねんねしてんの

 そりゃあ私だって蒲団屋に行けば

 赤や桃色の可愛い蒲団が陳列されていたのは知ってはいた

 が

 あれは機織りの無いが仕方なく買うものだと

 勝手に思い込んでいた。


 農家で機織りのある

 女の子だろうと

 み~~~~~~~~んな

           こんな↓蒲団に寝ているもんだと信じていた

             


 従兄には私より四つ上の妹がいて

 ○○美ちゃんが

 赤だか桃だかの蒲団でおねんねしているのを知る

 ○○美ちゃんに罪はなくても

 


 なんか裏切られた気分

 

 幼なじみに聞いてみた訳じゃないけど

 私だけが絣の蒲団だったのね




 そんなことがあって

 半年くらい後

 母は

 はぎれ屋さんから買ってきたとおぼしき布に

 打ち直した綿で

 わたし用の新しい蒲団をあつらえてくれたのです



 

 って

 母も従兄も

 こんな記憶が私の中にあるって知らないだろな


 

 

 



 
 


 

 

 
 


 


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