私がまだ子どもだった頃
やはり母の織った布団に寝ていた
敷布団のほうはシーツのためかよく覚えていない
掛け布団の地色が黒だったか紺だったか
白の大きな矢絣の模様だった
別にそのことを特に何も思わず
暮らしていた
あれは
私が中学の時だったか…
従兄が
にやってきて
なんかのひょうしに私の布団を見て
「○○子の布団もっと女の子らしい可愛いのにしたんないな~~~」
↑私の名前
と 私を哀れみ
それから私の母に懇願してくれた。
従兄の
と私の
その当時ともに農家で
たぶん同じような生活レベルの家庭だったように思う。
従兄の発言に私は嬉しさよりも
驚いた
世の中の 農家の 女の子 って
み~~~~~~んな
桃色や 橙色 赤の花柄の蒲団を
かぶっておねんねしてんの
そりゃあ私だって蒲団屋に行けば
赤や桃色の可愛い蒲団が陳列されていたのは知ってはいた
が
あれは機織りの無い
が仕方なく買うものだと
勝手に思い込んでいた。
農家で機織りのある
は
女の子だろうと
み~~~~~~~~んな
こんな↓蒲団に寝ているもんだと信じていた
従兄には私より四つ上の妹がいて
○○美ちゃんが
赤だか桃だかの蒲団でおねんねしているのを知る
○○美ちゃんに罪はなくても
なんか裏切られた気分
幼なじみに聞いてみた訳じゃないけど
私だけが絣の蒲団だったのね
そんなことがあって
半年くらい後
母は
はぎれ屋さんから買ってきたとおぼしき布に
打ち直した綿で
わたし用の新しい蒲団をあつらえてくれたのです
って
母も従兄も
こんな記憶が私の中にあるって知らないだろな