水曜日
キュリー夫人を語る4
◇ 創価女子短期大学 特別文化講座 キュリー夫人を語る 2008-2-8
戦う勇気、耐え抜く勇気を!
一、マリー・キュリーは青春時代、友人への手紙に、こう記しました。
「第一原則、誰にも、何事にも、決して負けないこと」(スーザン・クイン著・田中京子訳『マリー・キュリー1』みすず書房)
「決して負けない」──これが、彼女の一生を貫いた金剛の一念です。
この一点を定めた人生は、強い。
私の妻のモットーも、「勝たなくてもいいから、負けないこと」「どんな事態、状況になっても負けない一生を」です。
戦時中、特高警察の監視のなか、堂々と正義の信念を叫び抜く牧口先生の師子王の姿を、幼き日の妻は、自宅の座談会で目の当たりにし、生命の奥深くに焼きつけました。
そして、そのあとを継がれた戸田先生を人生の師匠と仰ぎ、「負けないこと」を鉄則として、黙々と使命を遂行してきたのです。
アインシュタイン博士は、マリー・キュリーを追憶する一文の中で書いています。
「まったくの知的な作業の面で彼女が何をなしとげたか、ということ以上に、おそらく、ひとつの世代そして歴史の一時代を画するものとして重要なのは、その傑出した人格の内面的な質ではないでしょうか」(高木仁三郎著『マリー・キュリーが考えたこと』岩波書店)
彼女の傑出した人格の特質──。それは、第一に「負けない勇気」であったといってよいでしょう。
「勇気」がなければ、どんなに人柄がよくても、人々を守ることはできない。
偉大な使命を果たすことはできません。
戦う勇気!
恐れない勇気!
そして耐え抜く勇気!
この勇気を、マリー・キュリーは、いかに鍛え、いかに奮い起こしていったのか。
私と妻にとって、最愛の娘の存在である創価女子短大生、また創価大学、アメリカ創価大学の女子学生、さらに、創価学園の女子生徒の皆さん、そして、すべての創価の女性に、万感の期待を込めて、お話ししていきたいと思います。
撰時抄267p
如来の教法は必ず機に随うという事は世間の学者の存知なり、
しかれども仏教はしからず
上根上智の人のために必ず大法を説くならば
初成道の時なんぞ法華経をとき給はざる
正法の先五百年に大乗経を弘通すべし、
有縁の人に大法を説かせ給うならば
浄飯大王・摩耶夫人に観仏三昧経・摩耶経をとくべからず、
無縁の悪人謗法の者に秘法をあたえずば
覚徳比丘は無量の破戒の者に涅槃経をさづくべからず、
不軽菩薩は誹謗の四衆に向つて
いかに法華経をば弘通せさせ給いしぞ、
されば機に随つて法を説くと申すは大なる僻見なり。