第56回日本糖尿病学会が5月16日から18日まで熊本で行われている。そのダイジェストが日経メディカルオンラインに載った。
その中から糖質制限に関わるものを引用したい。
結構糖質制限に好意的な発表も出てきているようだ。
1.糖質制限食指導でHbA1cが顕著な改善、カロリー制限食遵守が困難な患者に有効
2.肥満例の糖尿病予防に低炭水化物・高脂質食が有用である可能性
3.血糖コントロール目標値を改訂、HbA1c値で6.0%、7.0%、8.0%の3段階に集約
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jds2013/201305/530585.html
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2013. 5. 17
糖質制限食指導でHbA1cが顕著な改善、カロリー制限食遵守が困難な患者に有効
今、糖質制限食に対する関心が高まっているが、実地臨床における有効性を検討した報告は少ない。そこで、北里大学北里研究所病院に通院中の2型糖尿病患者を対象に糖質制限食指導を行ったところ、指導後6カ月後にはHbA1cや体重、中性脂肪、HDL-コレステロールなどが有意な改善を示した。同病院診療技術部栄養科の島田真理子氏らが、5月16日から熊本で開催されている日本糖尿病学会(JDS2013)で発表した。
対象は2013年3月31日の時点で、管理栄養士が1回以上の糖質制限食の栄養指導を行い、指導後6カ月間経過観察できた2型糖尿病患者94人(平均年齢60.1歳)。糖質制限を導入した患者は、カロリー制限の離脱者、または本人の希望によりドクター指示があった患者のみとした。糖質摂取量は、1食当たり20~40g、1日当たり70~130gに制限した。
指導前と指導後6カ月を比較したところ、HbA1c(%、NGSP)は8.2から7.2へと有意に低下した(P<0.001)。また、体重(73.2kgから71.8kg、P<0.001)、HDL-コレステロール(57.9mg/dLから65.1mg/dL、P<0.001)、中性脂肪(155.6mg/dLから138.1mg/dL、P<0.05)の有意な改善も見られた。LDL-コレステロールについては有意な変化を示さなかった。
低血糖(BG70mg/dL以下)の出現率は、指導前0.23%に対し、指導後2カ月までは2.65%、2~4カ月で1.74%、4~6カ月で1.81%だった。
島田氏は、「今回の結果から、カロリー制限食を遵守できない患者にとって、糖質のみの指導を行う糖質制限食指導は有効と考えられた。ただし、外食が多い患者の場合などには難しいといった課題もある」と話した。
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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jds2013/201305/530581.html
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2013. 5. 17
肥満例の糖尿病予防に低炭水化物・高脂質食が有用である可能性
炭水化物や脂質の摂取量と糖尿病発症リスクの関連は、BMIの程度により異なることが示された。BMIが25kg/m2以上の肥満者の糖尿病予防には炭水化物摂取を減らし、脂質摂取を増やす食事療法が有用であることが示唆された。金沢医科大学公衆衛生学の櫻井勝氏が、5月16日に熊本で開幕した日本糖尿病学会(JDS2013)で発表した。
日本人成人の炭水化物摂取目標量は50~70%エネルギー未満とされているが、近年では低炭水化物食も糖尿病や肥満などの治療に有用であると報告されている。ただし日本糖尿病学会は、低炭水化物食のエビデンスの不足や安全性への懸念を理由に、炭水化物と脂質のバランスが重要であり、糖尿病患者の炭水化物の推奨摂取比率は50~60%エネルギーを目安とすべきと提言している。そこで今回櫻井氏らは、日本人中年男女において炭水化物と脂質の摂取熱量比を評価し、その後の糖尿病発症との関連について検討した。
2003年に某企業の職域健診の受診対象者だった3776人のうち、健診非受診者、糖尿病患者、追跡不能者を除外した3515例(うち男性2035人、平均年齢46歳)を対象とした。高血圧などで栄養指導を受けている例が男性で8.1%、女性で7.4%、それぞれ存在していた。栄養調査は、自記式食事暦法質問票(DHQ)を用いて行った。対象者の栄養素などの摂取状況をみると、1日当たりの摂取熱量は男性2194KcaL、女性1843KcaLだった。炭水化物は男性57.6%エネルギー、女性58.8%エネルギーだった。脂質は男性21.5%エネルギー、女性25.9%エネルギーだった。
対象を、「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の目標値を参考に、炭水化物摂取量と脂質摂取量に応じて4分割した。炭水化物摂取量が50%エネルギー未満だった14.7%を低摂取群、50以上60%未満だった46.0%を適正群、60以上70%エネルギー未満だった32.1%を適正高値群、70%エネルギー以上だった7.2%を高摂取群とした。同様に、脂質摂取量が20%エネルギー未満だった30.5%を低摂取群、20以上25%エネルギー未満だった28.2%を適正群、25以上30%エネルギー未満だった25.1%を適正高値群、30%エネルギー以上だった16.2%を高摂取群とした。
対象の背景として特徴的だったのは、炭水化物摂取量が多い群ほど年齢が高く、飲酒習慣が少ないことだった。また脂質摂取量が多い群ほど女性の割合が高く、年齢が低く、飲酒習慣は少なかった。
対象について平均6.4年の観察研究を行ったところ、この間に糖尿病を発症したのは273例(うち男性203例)だった。炭水化物および脂質摂取量の適正群に対する各群の多変量調整糖尿病発症ハザード比(HR)を算出した。多変量調整には、性、年齢、BMI、糖尿病家族歴、飲酒、喫煙、運動習慣、高血圧の有無、脂質異常の有無、摂取熱量、摂取食物繊維量、食事療法の有無を用いた。
その結果、炭水化物の低摂取群では発症率が13.2/1000人年(適正群に対するHR:0.95、95%信頼区間[CI]:0.66-1.37)、適正群では11.2/1000人年、適正高値群では11.8/1000人年(適正群に対するHR:1.14、95%CI:0.85-1.53)、高摂取群で18.2/1000人年(適正群に対するHR:1.37、95%CI:0.87-2.16)と摂取量が多い群ほどリスクが高まった。一方、脂質の低摂取群では発症率16.9/1000人年(適正群に対するHR:1.15、95%CI:0.84-1.56)、適正群で11.6/1000人年、適正高値群で9.0/1000人年、高摂取群で9.3/1000人年(適正群に対するHR:1.07、95%CI:0.70-1.63)と、適正量より多くても少なくてもリスクが高まった。
炭水化物摂取量と糖尿病発症の関連をBMI別に見ると、BMIが25kg/m2以上の肥満者では炭水化物の摂取量が多いほどリスクが高かった(P for trend=0.023)。脂質摂取量は、BMIが22kg/m2未満の非肥満者では多いほどリスクが高まった(P for trend=0.020)が、肥満例では反対に摂取量が少ないほどリスクが高かった(P for trend=0.025)。
これらの結果から櫻井氏は、「炭水化物摂取量、脂質摂取量と糖尿病発症との関連は、BMIの程度により異なり、非肥満者では高脂質摂取が、肥満者では高炭水化物・低脂質摂取が糖尿病発症リスクと関連していた」と結論した。その上で、「肥満者の糖尿病予防には炭水化物摂取を減らし、脂質摂取を増やす食事療法が有用である可能性が示されたが、食事摂取基準の目標量を超える低炭水化物食の有用性についてはさらなる検討が必要だ」と考察した。
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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jds2013/201305/530577.html
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2013. 5. 16
血糖コントロール目標値を改訂、HbA1c値で6.0%、7.0%、8.0%の3段階に集約
日本糖尿病学会は5月16日、熊本で開幕した学術集会において、新たな治療目標の評価基準を発表した。新基準では、これまで5段階としていた血糖コントロール目標値をHbA1c値の6.0%、7.0%、8.0%の3段階に集約した。その上で、治療目標は年齢や罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、ケアのサポート体制などを考慮して、患者ごとに設定するとした。いずれも成人に対しての目標値であるが、妊娠例は対象外としている。6月1日から運用開始する。
新基準は、HbA1c(NGSP、以下同)値の7.0%未満を「糖尿病合併症抑制のために推奨される治療目標」と定めた。これを軸に、6.0%未満を「副作用なく達成可能な場合の理想的な治療目標」とし、さらに8.0%未満を「すべての患者が達成すべき治療目標」と設定した。
今大会の会長を務める熊本大学の荒木栄一氏は、HbA1c値6.0%未満を「血糖正常化を目指す目標」と指摘。適切な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合、または薬物療法でも低血糖などの副作用がなく達成可能な場合の目標と説明した。
HbA1c値7.0%未満については「合併症予防のための目標」であるとし、これに対応する血糖値としては空腹時血糖値130mg/dL未満、食後2時間血糖値180mg/dL未満をおおよその目安とする、と言及した。
8.0%未満については「治療強化が困難な際の目標」とした。低血糖などの副作用、その他の理由で治療の強化が難しい場合の目標となる。
荒木氏はセッション「新たなHbA1c目標値についての特別声明」において、「新HbA1c目標値の活用」と題して講演。最後に「熊本宣言2013」を提示し、参加者らの拍手をもって採択された。
熊本宣言2013では、日本糖尿病学会が糖尿病の予防と治療の向上に取り組んでいることを紹介。糖尿病を放置すると「眼・腎臓・神経などの合併症」を引き起こすこと、また脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化症も進行させることを説明。その上で、血糖の平均値を反映するHbA1cを7%未満に保つことを呼びかける内容となっている。「あなたとあなたの大切な人のために Keep your A1c below 7%」。今後、このキャッチフレーズのもと、新基準の浸透を図っていくことになる。
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その中から糖質制限に関わるものを引用したい。
結構糖質制限に好意的な発表も出てきているようだ。
1.糖質制限食指導でHbA1cが顕著な改善、カロリー制限食遵守が困難な患者に有効
2.肥満例の糖尿病予防に低炭水化物・高脂質食が有用である可能性
3.血糖コントロール目標値を改訂、HbA1c値で6.0%、7.0%、8.0%の3段階に集約
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jds2013/201305/530585.html
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2013. 5. 17
糖質制限食指導でHbA1cが顕著な改善、カロリー制限食遵守が困難な患者に有効
今、糖質制限食に対する関心が高まっているが、実地臨床における有効性を検討した報告は少ない。そこで、北里大学北里研究所病院に通院中の2型糖尿病患者を対象に糖質制限食指導を行ったところ、指導後6カ月後にはHbA1cや体重、中性脂肪、HDL-コレステロールなどが有意な改善を示した。同病院診療技術部栄養科の島田真理子氏らが、5月16日から熊本で開催されている日本糖尿病学会(JDS2013)で発表した。
対象は2013年3月31日の時点で、管理栄養士が1回以上の糖質制限食の栄養指導を行い、指導後6カ月間経過観察できた2型糖尿病患者94人(平均年齢60.1歳)。糖質制限を導入した患者は、カロリー制限の離脱者、または本人の希望によりドクター指示があった患者のみとした。糖質摂取量は、1食当たり20~40g、1日当たり70~130gに制限した。
指導前と指導後6カ月を比較したところ、HbA1c(%、NGSP)は8.2から7.2へと有意に低下した(P<0.001)。また、体重(73.2kgから71.8kg、P<0.001)、HDL-コレステロール(57.9mg/dLから65.1mg/dL、P<0.001)、中性脂肪(155.6mg/dLから138.1mg/dL、P<0.05)の有意な改善も見られた。LDL-コレステロールについては有意な変化を示さなかった。
低血糖(BG70mg/dL以下)の出現率は、指導前0.23%に対し、指導後2カ月までは2.65%、2~4カ月で1.74%、4~6カ月で1.81%だった。
島田氏は、「今回の結果から、カロリー制限食を遵守できない患者にとって、糖質のみの指導を行う糖質制限食指導は有効と考えられた。ただし、外食が多い患者の場合などには難しいといった課題もある」と話した。
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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jds2013/201305/530581.html
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2013. 5. 17
肥満例の糖尿病予防に低炭水化物・高脂質食が有用である可能性
炭水化物や脂質の摂取量と糖尿病発症リスクの関連は、BMIの程度により異なることが示された。BMIが25kg/m2以上の肥満者の糖尿病予防には炭水化物摂取を減らし、脂質摂取を増やす食事療法が有用であることが示唆された。金沢医科大学公衆衛生学の櫻井勝氏が、5月16日に熊本で開幕した日本糖尿病学会(JDS2013)で発表した。
日本人成人の炭水化物摂取目標量は50~70%エネルギー未満とされているが、近年では低炭水化物食も糖尿病や肥満などの治療に有用であると報告されている。ただし日本糖尿病学会は、低炭水化物食のエビデンスの不足や安全性への懸念を理由に、炭水化物と脂質のバランスが重要であり、糖尿病患者の炭水化物の推奨摂取比率は50~60%エネルギーを目安とすべきと提言している。そこで今回櫻井氏らは、日本人中年男女において炭水化物と脂質の摂取熱量比を評価し、その後の糖尿病発症との関連について検討した。
2003年に某企業の職域健診の受診対象者だった3776人のうち、健診非受診者、糖尿病患者、追跡不能者を除外した3515例(うち男性2035人、平均年齢46歳)を対象とした。高血圧などで栄養指導を受けている例が男性で8.1%、女性で7.4%、それぞれ存在していた。栄養調査は、自記式食事暦法質問票(DHQ)を用いて行った。対象者の栄養素などの摂取状況をみると、1日当たりの摂取熱量は男性2194KcaL、女性1843KcaLだった。炭水化物は男性57.6%エネルギー、女性58.8%エネルギーだった。脂質は男性21.5%エネルギー、女性25.9%エネルギーだった。
対象を、「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の目標値を参考に、炭水化物摂取量と脂質摂取量に応じて4分割した。炭水化物摂取量が50%エネルギー未満だった14.7%を低摂取群、50以上60%未満だった46.0%を適正群、60以上70%エネルギー未満だった32.1%を適正高値群、70%エネルギー以上だった7.2%を高摂取群とした。同様に、脂質摂取量が20%エネルギー未満だった30.5%を低摂取群、20以上25%エネルギー未満だった28.2%を適正群、25以上30%エネルギー未満だった25.1%を適正高値群、30%エネルギー以上だった16.2%を高摂取群とした。
対象の背景として特徴的だったのは、炭水化物摂取量が多い群ほど年齢が高く、飲酒習慣が少ないことだった。また脂質摂取量が多い群ほど女性の割合が高く、年齢が低く、飲酒習慣は少なかった。
対象について平均6.4年の観察研究を行ったところ、この間に糖尿病を発症したのは273例(うち男性203例)だった。炭水化物および脂質摂取量の適正群に対する各群の多変量調整糖尿病発症ハザード比(HR)を算出した。多変量調整には、性、年齢、BMI、糖尿病家族歴、飲酒、喫煙、運動習慣、高血圧の有無、脂質異常の有無、摂取熱量、摂取食物繊維量、食事療法の有無を用いた。
その結果、炭水化物の低摂取群では発症率が13.2/1000人年(適正群に対するHR:0.95、95%信頼区間[CI]:0.66-1.37)、適正群では11.2/1000人年、適正高値群では11.8/1000人年(適正群に対するHR:1.14、95%CI:0.85-1.53)、高摂取群で18.2/1000人年(適正群に対するHR:1.37、95%CI:0.87-2.16)と摂取量が多い群ほどリスクが高まった。一方、脂質の低摂取群では発症率16.9/1000人年(適正群に対するHR:1.15、95%CI:0.84-1.56)、適正群で11.6/1000人年、適正高値群で9.0/1000人年、高摂取群で9.3/1000人年(適正群に対するHR:1.07、95%CI:0.70-1.63)と、適正量より多くても少なくてもリスクが高まった。
炭水化物摂取量と糖尿病発症の関連をBMI別に見ると、BMIが25kg/m2以上の肥満者では炭水化物の摂取量が多いほどリスクが高かった(P for trend=0.023)。脂質摂取量は、BMIが22kg/m2未満の非肥満者では多いほどリスクが高まった(P for trend=0.020)が、肥満例では反対に摂取量が少ないほどリスクが高かった(P for trend=0.025)。
これらの結果から櫻井氏は、「炭水化物摂取量、脂質摂取量と糖尿病発症との関連は、BMIの程度により異なり、非肥満者では高脂質摂取が、肥満者では高炭水化物・低脂質摂取が糖尿病発症リスクと関連していた」と結論した。その上で、「肥満者の糖尿病予防には炭水化物摂取を減らし、脂質摂取を増やす食事療法が有用である可能性が示されたが、食事摂取基準の目標量を超える低炭水化物食の有用性についてはさらなる検討が必要だ」と考察した。
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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jds2013/201305/530577.html
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2013. 5. 16
血糖コントロール目標値を改訂、HbA1c値で6.0%、7.0%、8.0%の3段階に集約
日本糖尿病学会は5月16日、熊本で開幕した学術集会において、新たな治療目標の評価基準を発表した。新基準では、これまで5段階としていた血糖コントロール目標値をHbA1c値の6.0%、7.0%、8.0%の3段階に集約した。その上で、治療目標は年齢や罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、ケアのサポート体制などを考慮して、患者ごとに設定するとした。いずれも成人に対しての目標値であるが、妊娠例は対象外としている。6月1日から運用開始する。
新基準は、HbA1c(NGSP、以下同)値の7.0%未満を「糖尿病合併症抑制のために推奨される治療目標」と定めた。これを軸に、6.0%未満を「副作用なく達成可能な場合の理想的な治療目標」とし、さらに8.0%未満を「すべての患者が達成すべき治療目標」と設定した。
今大会の会長を務める熊本大学の荒木栄一氏は、HbA1c値6.0%未満を「血糖正常化を目指す目標」と指摘。適切な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合、または薬物療法でも低血糖などの副作用がなく達成可能な場合の目標と説明した。
HbA1c値7.0%未満については「合併症予防のための目標」であるとし、これに対応する血糖値としては空腹時血糖値130mg/dL未満、食後2時間血糖値180mg/dL未満をおおよその目安とする、と言及した。
8.0%未満については「治療強化が困難な際の目標」とした。低血糖などの副作用、その他の理由で治療の強化が難しい場合の目標となる。
荒木氏はセッション「新たなHbA1c目標値についての特別声明」において、「新HbA1c目標値の活用」と題して講演。最後に「熊本宣言2013」を提示し、参加者らの拍手をもって採択された。
熊本宣言2013では、日本糖尿病学会が糖尿病の予防と治療の向上に取り組んでいることを紹介。糖尿病を放置すると「眼・腎臓・神経などの合併症」を引き起こすこと、また脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化症も進行させることを説明。その上で、血糖の平均値を反映するHbA1cを7%未満に保つことを呼びかける内容となっている。「あなたとあなたの大切な人のために Keep your A1c below 7%」。今後、このキャッチフレーズのもと、新基準の浸透を図っていくことになる。
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