自民党の教育再生実行本部が2013年4月4日にまとめた提言で、大学の受験資格や卒業要件にTOEFLで一定以上の成績を収めることを柱に掲げました。
TOEFLは1964年、英語を母国語としない人を主な対象に、英語コミュニケーション能力を測るテストとして、ETS(標準テストを管轄する機関)により開発されました。。大学の実生活で必要な、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの技能を総合的に測定するものです。
何回か改訂されていて、現代は満点は120点で、TOEIC同様、スコアがそのまま実力を示す数値となっています。日本人の平均点は70点ほどとされています。
現在TOEFLの日本の受験者数は、海外の大学院や大学への進学に特化した性質から、内向き志向とあいまって減少しています。TOEICのほうがずっと多いと思われます。
TOEFLはアメリカの大学に留学したい人の英語力を測るためのテストなので日本の大学入試に適合するかはなはだ疑問です。
TOEFLでは、アメリカの大学の1年生が使う教科書レベルの文章が、文理問わず幅広い分野から出題されます。そのため、読み聴き話した英語をその場で速く正確に理解し、受け答えする力が必要になります。受験対策が取りにくいのと、英語力を測る精度はかなり高いので、東大生のように、英語の受験勉強をきちんとやった人たちでも、TOEFLに向けてはまったく別の準備をかなりやらないと、ある程度のスコアを取るのは非常に難しいと思います。
従って、大学の受験資格や卒業要件にTOEFLで一定以上の成績を収めることを必須にした場合色々な問題が出てきてしまい、英語教育に悪い影響を与えることも予想されます。
良く考えて実行されるよう望みます。