タゴールとアインシュタインの対談
「あなたは神を、この世界から遊離した・超越したものとして信じていますか?」
と、問いかけるアインシュタインに、タゴールは答えた。
「私は神を信じています。けれど神は世界から遊離・超越してはいません。
人間の無限のパーソナリティーは宇宙を包含しているのです」
つまり物理学者であるアインシュタインは
この地上に人間が一人もいなくても、宇宙は存在すると主張するのに対し
タゴールは、神も含めあらゆる真理は人間が存在してこそ成り立つという。
なぜなら、宇宙の存在を感じているのは人間に他ならないのだから…
それでも宇宙の実在がなければ
科学というものも成り立たないとアインシュタインは反論。
対しタゴールは、科学も人間が生んだもの、実在を感じるのも人間。
人間というものがこの世の中に存在しなければ
この世界そのものが無だ、という。
アインシュタインは子供のころ好きだった。
多分、思いもかけず異端で人間臭いところ...。
タゴールは大人になってから興味を持つことになった。
縁あって手にしたキューブラー=ロスの著書『死ぬ瞬間』のなかで
各章の扉に使用されていたのが、タゴールの詩だ。
『タゴール詩選/迷える小鳥』
176
瓶の水は光っている、海の水は暗い、
小さい真理は明らかな言葉を持ち、
偉大な真理は偉大な沈黙をもつ。