太陽や月が欠ける現象を 蝕甚 :月蝕 (食)、日蝕(食) と書く。
蝕はむしばむと言う意味をもつのだけれど、
月が影に隠れてゆく現象を「むしばむ」と表現するのは何故だろう?
それは「欠ける」でもなく「虫が食べる」のだ。
月が欠ければ修復が大変だが、
そりゃ子供の頃は、月を「誰が食べるのか」って、不思議だった。
食べられたら月がなくなるのだと思ったものだ。
食べたら、ちゃんと返してくれなければいけない…!
それからは良いのか悪いのか、
私も少し賢くなって望遠鏡も買った。
夜な夜な三脚も立てたものだ。
いつだか「皆既月食」の日、厚い雲が出張ってきたから、
もう気力もないからNAOJの中継を見ていた。
時々他の中継に浮気しながら^^
落胆のため息が聞こえそうなチャットが駆け足で流れる。
私としては、雲の向こうを透かして見せてくれるかなと、期待もしたけれど…
そういえば、スーパームーンでもあったんだね。
今追いかけたら月の下に行くことが出来るかも知れないと錯覚するほど大きくて。
でも、月はつれないもので、近づけないどころじゃなくて遠ざかっていく。
科学者たちはそれを「月の後退」と呼んでいる。
月光を蝕む地球(月食)と少しずつ離れゆく月の時間、
なんだか不思議なドラマだ。
50億年後、太陽系の存在そのものも確かなものじゃないのに、
そうした不確かにつながる時間をいつまでわたしは生きているのだろう…。
時間の存在って何なのだろうとこの頃思う。